校に来るのが楽しいと思う」という項目においても同様で肯定的に捉えている児童が少ないと言える。 図3-2 学級アンケート A校 図3-2から分かるように,自己有用感の低さやGAKKYU 学級への所属感の低さが目立つ。研究協力員の方からは,A児は友達とうまくコミュニケーションが取れずに,トラブルになることがあるとの報告があった。 図3-3は,平均値になっているF児童学級アンケートの結果である。 図3-3 学級アンケート F児 F児に関しては,友達との仲のよさは感じられ46 (12) 前掲(8)p.181 (13) 前掲(3)p.24 (14) 坂本昇一「<やる気>の生徒指導」小学館 1985.9 p.8 ④集会活動 集会活動が成功したと児童が感じるかどうかは,教員の共感的な声かけにかかっていると言っても言い過ぎではないだろう。活動中に,児童と同じように活動に参加し,心から一緒に楽しむ姿を見せるということも1つだろう。また,活動中や活動後に,児童のがんばりを自分事のように喜ぶ姿を見せることも1つだと考える。そのような教員の共感的な関わりが,児童の次の活動へのやる気につながるだろう。 ⑤振返り 「学級わくわく大作戦」全体を通した振返りを行い,さらなる課題を見つけていくことで,次の活動につながっていくと考える。さらに,自分のがんばりを自己評価するだけではなく,友達にそのがんばりを認めてもらう場を設けることで,自分のがんばりを客観視することができ,自己有用感の高まりにもつながると考える。 (3)児童の活動後 活動前に行った児童アンケートをもう一度行い,活動前後の変化を見取る。そして,その変化の要因を分析し,次の活動に生かしていけるようにする。また活動において見つかった課題を次の短期目標につなげていく。 第2章では,指導の流れを述べたが,第3章では実践の様子を詳しく述べていく。 第1節 児童の活動前 実践は,A校の5年生,B校の4年生を対象に行った。両校ともに第2章で述べた学級に関するアンケート行い,学級の実態を把握した。 (1)A校について A校についての実態と目標設定について述べる。次頁,図3-1は,A校の学級に関する児童アンケートの結果である。 5項目中「わたしは,クラスの人の役に立って いると思う」の項目が低い。また「わたしは,学 5項目の合計の最低値となっているA児の状況を図3-2に示す。 第3章 実践について 図3-1 学級アンケート A児 小学校 特別活動 10
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