001総教C030705H30河合最終稿
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(2) 前掲(1) p47 (3) 平田オリザ『対話のレッスン 日本人のためのコミュニケーション術』講談社学術文庫 2015.6 pp..168~169 (4) 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説国語編』2017.7 pp..172~177 なのか」などのような,「わたしは,読んだことについてこう考える」という自分の考えを形成する「問い」が生まれるのではないかと考えた。つまり,読みの過程が進むにつれて,内容の把握ができたり,解釈できたりするようになるので,その上で生まれる「問い」も当然深まっていくということである。「問い」が深まれば,考えも深まっていくことになり,その過程では考えようとする意欲も保たれ続けていくことになるだろう。このような「問い」の種類を教師が意識しながら,生徒の自己評価シートを見ることで,各学級の生徒の読みがどの過程段階にあるのか,次にどのようなことを考えればいいのかということを把握することにもつながるのではないかと考えている。 また,表2-2では,読みの過程が三段階であるのに対し,「問い」は四つに分類している。これは,把握から解釈,解釈から形成という過程の間に存在する「問い」は,明確に区切れないものもあると考えたためである。「問い」①は一問一答であり,このような「問い」は構造・内容の把握に関する「問い」と言ってよい。しかし,「問い」②は把握すると同時に精査・解釈にもつながる「問い」であることが多い。そして「問い」④は考えの形成に関わる「問い」であるが.「問い」③は,精査・解釈すると同時に,考えの形成にもつながる「問い」であることが多い。このように「問い」②と「問い」③に関しては,二つの読みの過程の間に存在するため,三段階の読みの過程に対し,「問い」は四つに分類した。また,教師側の視点として大きく四つに分けてはいるものの,それぞれの「問い」の中でもさらに細かく分けられるということも考慮しておく必要がある。 また,一時間ごとの自己評価,単元を通しての振り返りを一枚の用紙にまとめている。これは,一枚にした方が生徒にとって,自分の学びについて単元を通して見取りやすいと考えたためである。さらに,一枚にまとめることで, 毎時間回収するのではなく,授業者が回収したいタイミングで回収できることや,単元の最後に回収することで,教師も単元を通して自分の授業を見直し,次の単元作りに生かしていくことができることなど,指導者にとっての利点も大きいと考えた。 詩教材『鍵』を通して,表2-2で分類したような「問い」の種類を生徒が意識するための授業を行った。小学校では児童の疑問を生かした授業展開というのは,よく行われているため,疑問をもつということにはなじみがある生徒も多いかもしれない。中学校では,小学校での学びを生かしつつ,一人一人が「問い」をもって読み進め,考えを深めていけることを目指していきたいと考えている。 次頁表3-1は,『鍵』の指導計画である。 基本的な流れは同じだが,二年目であるA校は自分たちで疑問を整理し,「問い」に対する答えを導き出した後,教師がその答えに対して助言を行っている。一方で,一年目であるB校は,生徒が出した「問い」自体をまず教師が整理し,生徒の「問い」を基に教師が提示した課題(「問い」)につい131 B校(1年目) し合い,「問い」として整理(小→大)し,最も大きな「問い」を決める。 大きな「問い」を発表し,教師が整理する。 対する答えを順に学習班で考え,全体で共有していく。 第3章 実践授業を通して 第1節 「問い」を意識する授業-『鍵』- (1)指導計画と課題設定について 表3-1 『鍵』指導計画 Seito A校(2年目) 目標:特徴のある表現に注目して読むことで、作者が 何を伝えたいのか捉え,今までの経験や今の自分と結び付けて考えることができる。 ①-1 『鍵』を読んだ最初の感想(疑問含む)を書く。 ①-2 「問い」について知り,自分の抱いた疑問がど②-1 学習班で疑問を出②-2 解決が必要な「問②-3 各班で解決した「問③-1 ②-3の続き。(作者の思いにつながるよう教師③-2 これまでの学習を踏まえ,もう一度『鍵』を読 中学校 国語科教育 7 のような「問い」なのか考える。 ②-1 学習班で疑問を出し合い,「問い」として整理(小→大)する。 い」から順に考えて②-2 学習班ごとに,最もいく。 い」と答えについて共有する。(教師に②-3 整理した「問い」による整理) が整理する) んだ感想を書く。

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