001総教C030705H30加藤最終稿
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図4-9 児童質問紙調査回答結果⑧ なぜ考えが深まったと感じたのか,その理由には次のようなものがみられた。 これらの記述例から,子どもたちが習得した知識や概念等を生かして考えをやり取りすることで,既習の見方や考え方だけではなく,さらに新しい見方や考え方をそのやり取りから見出し,思考を深めることができたと実感していることがうかがえる。活用場面で子どもたちに新しい視点を投げかけるだけではなく,子どもたち同士がその視点について議論を重ねたからこそ,このような深まりを見出すことができたといえよう。 30 考を深めることができていた。 このように,個々の評価が下がった子どもも見られるが,対話的な学びの充実を目指したことで子どもたちは思考を深めることができ,基礎的な探究の充実につながっていったといえよう。 本実践では学年に応じた対話カードを用いた。これによりそれぞれの学年で目指す系統的な対話的な学が展開できたととらえることができる。さらに各学校,学年,学級に応じた対話カードを作成し用いることで,子どもたちは対話的な学びで考えを深めることを目指したい。 また,調べた事実を基に社会的事象の意味や意義などについて考える場面を中心に対話の場面を設定してきた。子どもたちはその場面での自分たちの対話による考えの深まりを実感している。これは基礎的な探究における習得aを活用aしている場面の充実が図れていることを示している。各時間の中でこのような充実を図ることができたことにより,子どもたちは社会的事象の理解を確実に深めることにつながっていったと考えられる。 (3)活用場面の充実 図4-8は,発展的な探究における活用を通じた考えの深まりについての質問に対する回答である。 図4-8 児童質問紙調査回答結果⑦ A校B校ともに実践前は4人に1人の割合で「あまりそう思わない」「全くそう思わない」を回答しているが,実践後はその割合が大きく減少している。また,「とてもそう思う」を回答した子どもの割合も大きく増加しており,子どもたち自身が発展的な探究における活用場面を通じて習得した知識や概念等を生かすことで,考えを深めることができたと実感していることがわかる。 さらに,その活用場面の対話についての質問に対する回答を右上図4-9に示す。活用場面においても,子どもたちは対話を通じて考えを深めていったと実感していることがわかる。対話を通じ, 小学校 学習指導法 26 【A校 第4学年】 ・学んだことを生かして考えると自分の考えに「やっぱりこうかな?」「どっちかな?」と考えることが多くなった。 ・友だちの意見と比べてみたら深まったと感じる。 ・学んだことを生かして意見を聞いたりすると,自分の意見にもっといい意見があったりするから。 ・「前は○○だったけど,今は○○だ。この資料○○が書いてある。つまり~~だから。」と,比べたりしながら考えを深められたから。 【B校 第6学年】 ・学んだことを生かしてさらに別のことを知ったり考えたりすることができるから。 ・同じ立場の人の意見を聞いて共感できたり,反対の立場の人の意見を聞いて自分の考えを見直せたりしたから。 ・人それぞれ違った意見が出て,自分の視点が違ってきたり,その意見についてまた別の意見が出たりして考えが深まる。 ・学んだことを生かしても意見が違うから考えが深まる。 ・新しい疑問などを友達と学んだことを生かして考えるから考えなどが深まっていく。 発展的な探究における活用場面においても,子どもたちが主体的に考えることができるようにすることは重要である。本実践ではいずれも子どもたちが習得した知識や概念等を活用しながら対話することで考えを深めることができた。本稿第3章で示したように,子どもたちの対話する力がまだ十分身に付いていなかったり,適切に見方・考え方を働かせることができなかったりすると,活用場面を設定しても十分な活用が図れない場合も出てくる。また,子どもたちが習得した知識・概念等を適切に働かせて思考を深めることができるようにするためには,活用場面が年1回だけでは十分力を伸ばすことはできない。A校B校のそれ

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