探究的な学習を展開する中で,思考を深められるような問いを投げかけることで,子どもたちが見方・考え方を適切に働かせることができるようにし,社会科で育む資質・能力の育成を目指す。さらに,汎用的な資質・能力が一体となって働くことで,社会科の学習における思考や理解を深めるとともに,その汎用的な資質・能力も確実に育成することができると考える。このように子どもたちに必要な資質・能力を育むため,どのような場面で,どのような力の育成を図るのかを計画し,学校教育を通じて目指す子どもの姿,そして生きる力の育成の実現を図っていく。 第2章 充実した探究的な学習の実現に向 第1節 汎用的な資質・能力の育成を目指して (1)学びを深める対話の在り方 12 図1-6 本研究における研究構想図 (4) 文部科学省「中央教育審議会『幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学校指導要領等の改善について(答申)』」 2008.1 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/__icsFiles/afieldfile/2009/05/12/1216828_1.pdf 2019.3.1 (5) 文部科学省「中央教育審議会『幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)』」2016.12 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/__icsFiles/afieldfile/2017/01/10/1380902_0.pdf 2019.3.1 (6) 前掲(2) (7) 前掲(5) (8) 前掲(5) (9) 前掲(5) (10)文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説総則編」 東洋館出版社 2018.2 p.77 (11)田村学「深い学び」 東洋館出版社 2018.4 pp..21~22 以上のような視点を踏まえ,本研究の全体構想を図1-6に示す。 小学校 学習指導法 8 (12)文部科学省 国立教育政策研究所「平成29年全国学力学習状況調査報告書」 2017.8 (13)文部科学省「平成19年全国学力学習状況調査 算数A」 2007.4 http://www.nier.go.jp/tyousa/07mondai_shou_sansuu_a.pdf 2019.3.1 (14)文部科学省「平成19年全国学力学習状況調査 算数B」 2007.4 http://www.nier.go.jp/tyousa/07mondai_shou_sansuu_b.pdf 2019.3.1 (15)奈須正裕 「資質・能力と学びのメカニズム」 東洋館出版社 2017.5.30 pp..61~66 (16)文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説社会編」 東洋館出版社 2018.2 p.17 (17)前掲(5) (18)澤井陽介・加藤寿朗「見方・考え方 社会科編」 東洋館出版社 2017.10 p.165 (19)国立教育政策研究所「学習指導要領実施状況調査 教科等別分析と改善点(小学校 社会)」http://www.nier.go.jp/kaihatsu/shido_h24/01h24_25/02h24bunseki_shakai.pdf 2019.3.1 (20)前掲(19) (21)前掲(19) (22)前掲(15) p.18 (23)前掲(5) 探究的な学習を通じ,考えを深めていくためには対話が欠かせない。対話的な学びには様々なものがあるが,考えを深めていく上では特に他者との対話が重要である。他者との対話的な学び,協働的な学びの充実を目指し,子どもたち同士の対話に重点を置き,ペアやグループで話し合う活動を取り入れた学習を目にすることも多い。しかし,その話合いで子どもたちの考えが十分深まらない様子を目にすることもしばしばある。その原因として,言語活動の充実を目指し,子どもたちが対話をしている学習場面を設定したものの,対話をすることに目的が置かれたり,何のための対話か目的が明確でないまま形式的に取り入れたりした結果である場合が考えられる。また,子どもたち自身がどのように対話をしていけばいいか,対話のしかたを理解しておらず,考えを深めることができないといった場合もあると考えられる。 けて
元のページ ../index.html#10