I0101 報告593 本研究は,より効果的なソーシャルスキルトレーニングの実施に向け,困りを抱える児童生徒が在籍する学級をその実施場所とし,そこでのSSTのあり方を検証したものである。 少子化,核家族化,SNS等の普及による対面のコミュニケーションの減少などにより,児童が対人関係の機微に触れる機会は減少している。これはそのままソーシャルスキルを学習する機会の減少につながり,多くの児童にとっても問題となってきている。この時節に今一度,学級での指導に焦点を当てることで,困りを抱える児童を含めた学級集団のソーシャルスキルに関わる力の伸長を促すことを目指した。 一連の実践を通して,困りを抱える児童や学級に在籍する児童の社会性が培われ,学級の向社会的な環境や雰囲気も醸成された。このような好ましい変容をより多くの学級で実現するために,ソーシャルスキルに関わる児童の力の測定―指導―効果測定のプロセスを簡便に行うことのできるシステムを開発した。 61 -学級での集団SSTを中心としたソーシャルスキルの育成と支援のあり方- 馬場 啓輔(京都市総合教育センター研究課 研究員) 困りを抱える児童生徒への効果的なSST(2年次)
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