図3-4 B校での実践におけるノート・課題a-2の過程 ことは滅多にないことなのでよい討議になったと思います」と述べていた。さらに,学習班での話し合いでは,Qの生徒が「話の流れが分かりやすいってことね」と言っているように,他のグループでも説明している生徒以外のメンバーが「~ということ?」など言いたいことを整理している様子も見られた。このような発言によって,説明している側の考えも整理されていくと感じた。また,Sは題名について「モアイは語らない」と主張していたが,全体での発表の際,他の班が「擬人法を使っていて印象的だ」と説明していた。全体で共有する場の重要性を再認識する場面でもあった。 この課題も,結論としてはどちらになってもいいものである。実際,学習班ごとに意見を発表してもらったが,半々に分かれた学級,ほとんど『モアイは語る』になった学級,ほとんど『イースター島にはなぜ森林がないのか』になった学級とそれぞれ異なる結果となった。共通して多くの班が述べていたことは,どのように始まり,問いと答えがどこにどのようにあって結論に結びついているかということであった。どちらがいいのかと考えることで,自然と教科書やノートを見返し,分析していくことになる。そのようにしてそれぞれの文章の特徴をとらえることが大切であり,分析していく中で読み取るこつをつかみ,どのように伝えたいときに,どのように表現すればいいのかということを体得してもらいたいと考えた。 では,このような学習の過程において,どのような表出が見られたのだろか。実際に生徒がワークシートやノートに記述した内容の例を挙げる。下図3-3・右図3-4は実践で使用したノート,右図3-5はワークシートの使い方を示したものである。B校で使用した図3-5のワークシートが,図3-1で示した(p18)A校のノートと同じ役割を果たすものとなっている。 まず,図3-3・3-4の一番下に書き出した課題aに対する取り組みについて,生徒がどのような振返りをしたか紹介する。 振返りから,この生徒は,最初『モアイは語る』の方がいいと思っていたが,専門家会議で『イー スター島にはなぜ森林がないのか』のよさにも気付いたことが分かる。 図3-3 B校での実践におけるノート・課題a-1の過程 図3-5 『モアイは語る』ワークシート ②-2 専門家会議での振返り ・イースターは「まず」⑨→「次に」⑪→「さらに」⑬と順に説明している。(気付き)↓ 最初は「モアイ」の方が分かりやすいからええと思ってたけど,順に話しているところや,言葉の使い方などから納得した。でも,モアイの方が分かりやすいと思う。 ②-3 学習班での活動での振返り やはり,モアイの方がわかりやすいのではないか。交流などしたことから,モアイはとても疑問が多く,そのため答えや推測が多くなっていました。つまり,内容がより深まっているということではないか。 中学校 国語教育 22 ⑤自分での 振返り ④最後の表出 ⑤振返り(交流) ①最初の表出
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