(4)『走れメロス』(文学的文章2年・B校) ②-3 学習班【課題a-2】 新学習指導要領 C 読むこと ア 文章全体と部分との関係に注目しながら,主張と例示との関係や登場人物の設定の仕方などを捉えること。 エ 観点を明確にして文章を比較するなどし,文章の構成や論理の展開,表現の効果について考えること。 教科書 ・文章の構成や論の展開に着目して,筆者の主張をとらえる。 →(学習の窓) 問いがどのような説明に対応しているか、また事実が根拠として、どのように主張と結びついているかなど,論の展開を考えながら読むことによって,筆者の主張を的確に捉えることがで きる。 ・論説を読み,筆者のものの見方や考え方について自分の考えをもつ。(下線は筆者による) 次頁表3-7は,本実践の目標と特に関わりがある新学習指導要領に示されている内容と教科書に示されている目標をまとめたもの,次頁表3-8は授業の流れを示したものである。 本教材は太宰治によって書かれた児童文学であり,長年多くの人々に読まれてきた作品である。文学として様々な視点から研究されてきた作品でもあり,生き方や個人の価値観についても考えさせられる作品である。 また,生徒たちにとってなじみの少ない近代文学でありながら,登場人物の考え方には時代を超えて,自分の考え方や生き方と比べながら読むこ授業の流れ 対話 ①テキスト ②-1 テキスト ②-2 他者 テキスト 自己 ②-3 他者 テキスト 自己 ③自己 テキスト ④自己 テキスト ⑤自己 他者 ともできる。また,課題Aについて深めていくための課題aであり,生徒も目的意識を明確にもって学習活動に臨むことができると考えている。 (3)『モアイは語る―地球の未来―』 表3-5は,本実践の目標と特に関わりがある新学習指導要領に示されている内容と教科書に示されている目標をまとめたものである。 表3-5 新学習指導要領と教科書に示されている内容 本教材は,序論においていくつかの問題提起がされ,本論でその問いについて順番に答えていき,地球の未来のためにという筆者の主張へとつなげていく構成となっている。なぜ説得力があるのか考えることで,文章の構成や論理の展開に注目し,内容を的確に読み取ることができると考え,以下のような目標を設定した。 新学習指導要領に「観点を明確にして文章を比較するなどし,文章の構成や論理の展開,表現の効果について考える」とあるが,文章と文章を比較することで,その文章の特徴がよく見えてくる。そこで,小学校6年生の教材『イースター島にはなぜ森林がないのか』との比較読みを取り入れることにした。本教材の内容と重なる部分が多く,結論も類似しているが,文章の構成は異なる教材であることから,比較することで文章の構成等特徴に注目できると考えた。また,小学校の教材であることから,中学生にとっては読みやすく,抵抗なく読み比べることができると考えた。 様々な角度から読み,説得力のある文章の秘訣を見つける。 右表3-6は,授業の流れを示したものである。 (説明的文章2年・B校) 表3-6 『モアイは語る―地球の未来―』授業の流れ ①『モアイは語る―地球の未来―』と『イースター島にはなぜ森林がないのか』を読み,どちらがより説得力があると思ったか書く。【課題A】 ↓ ②視点を絞って,二つの文章を比 較,分析する。 ②-1【課題a-1】 学習班(4人)になり,役割分担をして,自分の担当視点から分析し,どちらがよいか考える。 ②-2 専門家会議【課題a-1】 それぞれの担当ごとに集まり,担当の視点から考えるとどちらが説得力があるのか根拠を明確にしながら議論する。 学習班に戻り,それぞれ担当する視点から意見を出し合い,班としての結論を出す。 ↓ ③学習班ごとに発表をし,どの班が1番説得力があったか考える。 ↓ ④もう一度どちらが説得力があると思うか自分の考えを書く。【課題A】 ↓ ⑤お互いの学びについてコメントを書く。自分で振り返る。 ↓ ⑥チャレンジ問題を解く。 中学校 国語教育 13
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