学びへ向かう力を育てる国語科の授業・評価を目指して(1年次) G0103 報告590 新学習指導要領が公示され,育成すべき資質・能力の三つの柱として「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性等」が示された。これらの力を育てるためには,「主体的・対話的で深い学び」が不可欠である。そして,国語科における「主体的・対話的で深い学び」は,生徒自らが考え,自分の言葉を豊かにしていこうという意欲があってこそ成り立つものであると考えている。 生徒が「自分の言葉で考えよう」「自分の言葉で伝えたい」と思えるのは,授業を通して確かに自分は成長したという学びの自覚を得られたときではないだろうか。そこで,自分の考えを書いて残し,前の自分と今の自分の変化を生徒自身が見取ることで,学びの自覚を得られ,「学びへ向かう力」も育まれるのではないかという仮説のもと研究を進めた。 「自分で考える→他者と対話をする→自分で考える」というシンプルな授業展開において,生徒が自分の考えを見返し,互いに吟味する時間を大切にすることで,自ら学びへ向かう姿も見えてくるのではないかと考えている。実践を通して,自分の言葉で考える様子や学びの自覚を得た生徒たちがもっとこうしたいと次につなげていこうとする様子も見えてきた。 -書くという表出方法を通した自己評価と教師の支援・評価の在り方- 河合 ゆみ(京都市総合教育センター研究課 研究員)
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