001総教CR030517R1研究論文(田中)
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④ ○○を通して,今後の学校生活に対する意識 次学年へキャリア・パスポ|ト学年末キャリア・パスポ|ト学年初め前学年での取組 ・○○を通して,自分が「今までに比べてがんばったところ」や「新たに発見したこと」は? ・◇◇に向けて,「現時点での課題」や「今後取り組んでいきたいこと」をまとめておこう。 ① ○○に取り組む中で周りの人と協力して行② ○○を通して,自分を知り,自己に対する理③ ○○を通して,学校での学びと将来・社会と 記入日 年 月 日 名前 : 達成度:・〇〇に向けて,どんな目標を立てましたか?また,達成度は何%ですか?? 目標 ・自分の気持ちや行動の振り返り 今までの活動を振り返り,自分の気持ちや 行動に一番近いところに○をつけよう! 動し,自分の役割を果たすことができた。 解を深めることができた。 のつながりを考えられた。 が高まった。 できた やや あまり ほとんど できた できなかった できなかった らず,より客観的なものとなることが期待できる。 そして,「30歳のとき,どんな自分になっていたいか」を考え記入する項目を設定した。本市における職場体験である「生き方探究・チャレンジ体験」での学びを生かし,将来を考える機会とすることがねらいである。30歳という年齢は,多くの者が働いて数年経っている,あるいは進路が決まっているであろう時期として想定されており,国の例示資料にも記載がある。大人になった自分をできる限り具体的にイメージするとともに,「そのために身につけたいと思う力」や「今,頑張りたい・チャレンジしたいこと」を意思決定する。 学年初め,学年末どちらのキャリア・パスポートにおいても,まず今までの学びを振り返り,他者との交流により自己理解を深めつつ,将来に向けて意思決定していくという流れを構想した。この流れに沿って記述していくことにより,学校生活での学びとつながりをもたせながら,より具体的な振り返り,そして次への目標設定を行うことができると考えられる。キャリア・パスポートを通して,過去の学びを振り返る中で現在の自分が成長していることに気づくとともに,今後の課題を未来へとつないでいくことが大切である。 (2)キャリア・パスポート活用の流れ 本研究におけるキャリア・パスポート活用の流れは,以下の図2-3の通りである。 図2-3のように,キャリア・パスポートの位置づけは学年初めと学年末の二種類とした。ただ,その間に学校生活を送る中で生徒が経験する取組(各教科等・学校行事等)を大切にし,学びをつなぎ自己理解を深めることが極めて重要である。 なお,京都市版のキャリア・パスポートとして今年度11月に示された「生き方探究パスポート」も,学年初めおよび学年末の二枚のみをキャリア・図2-3 キャリア・パスポート活用の流れ パスポートとしている。本研究でも同じ位置づけとしつつ,自己理解に重点化して実践を行った。 第2節 キャリア・パスポートを用いた振り返り を充実させるために (1)学びをつなぐ振り返りシート キャリア・パスポートを用いた実践が,目標や振り返りを書く単発的な作業だけの時間になってしまえば,今やるべきことに取り組もうと意欲を持ったり,将来を見通したりすることにはつながりにくいであろう。そうした意味でも,どのように学年初めと学年末の間をつなぐかが重要となる。 その具体例として,学校行事をもとに学びをつなぐ振り返りシートを作成した。振り返りシートの様式・内容は,図2-4のようなものである。 中学校では,合唱祭や文化祭などの学校行事がある。そうした行事を大切にしつつ,今までの学びを生かして目標を設定し,取組を通して振り返り,次の学びにつなげていく過程が大切であると考える。本研究では,生徒にとって大きな成長の機会であるものの,それぞれが単発で捉えられがちな学校行事での学びをつなぐ実践を行った。 127 図2-4 振り返りシート 中学校 キャリア教育 7 〇〇を終えて ≪振り返りシート≫ 各教科等・学校行事等

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