001総教CR030517R1研究論文(大嶋)
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学校行事 目標 全校又は学年の児童で協力し、よりよい学校生活を築 下線部に示したように,キャリア教育で付けたい力と,基礎的・汎用的能力で示されている力に共通する部分が多く,まさに学校行事とキャリア教育のねらいには共通点が多いことがわかる。 106 くための体験的な活動を通して、集団への所属感や連帯感を深め公共の精神を養いながら、第1の目標に掲げる資質・能力を育成することを目指す。 図2-4 学校行事でつなぐ 「成長ノート」 りの間をつなぐ取組として本研究では,特に学校行事に注目し,「成長ノート」の取組を行うこととした。 学校行事に注目した理由の1つ目は,キャリア教育のねらいと学校行事のねらいに共通点が多いことである。(14) 2つ目は,学校行事では,子どもが自分の成長を実感できる場面が多いことである。子ども自身が自分の成長を実感し,「成長ノート」に自分の成長を書きためておき,キャリア・パスポート終わりにつなげられるようにする。 そこで,学校行事をつなぐために「成長ノート」を作成した。図2-4がその「成長ノート」である。 学年のめあて・スローガンでは,行事ごとの全校目標やスローガン,学年目標を記入し,学校全体の動きを意識させるようにする。 「わたしのめあて」では,キャリア・パスポートで考えた,1年間のなりたい自分を意識し,行事ごとの「なりたい自分の姿」を考え,めあてとして記入する。 「わたしのふりかえり」では,行事ごとでのなりたい自分の姿を振り返るとともに,キャリア・パスポートはじめで考えた1年間のなりたい自分を行事での成長(課題)に結びつけてを振り返る(下線部は筆者によるもの) 小学校 キャリア教育 6 ことで,客観的に自分を見ていく力を育てるようにする。 学校行事の振り返りを1枚のシートにすること で,次の活動や1年間の活動についての見通しをもつことができると考えた。後日,子どもが振り返りを読み返した時に,自分ががんばったことやできるようになったことを振り返ることで,自分に自信をもち,次の活動でも挑戦したいという意欲が湧くし,学校行事での自分の成長の記録をためていくことができると考える。このようにすることで自分が付けた力をつなげていくことができる。これらを通し,キャリア形成が促されるか検証していく。 第2節 多角的視点から自己理解を促す方策 本研究では,基礎的・汎用的能力の中で,特に「自己理解能力」に注目すると述べた。キャリア・パスポートや「成長ノート」は自己理解を深めるためのものとして有効だと考える。これまでの自分を振り返り,今の自分を見つめ,将来の自分を描くことから,自分のやりたいことや得意なこと,やってみたいことなど見つけていく。最後には,1年間の自己の成長やがんばり等を振り返ることで自己理解を深めることができると考える。 しかし,自己評価だけでは,全ての子どもたちが自己を十分に評価できるとは限らない。そこで大切になるのは,他者からの評価である。他者からの肯定的な言葉がけは,自己についての気付きをもたらす大切なものになる。友だちからの評価は,新たな気付きや次への意欲へとつながるものと考える。 特に高学年では,自己理解をすることで,それまで安定していた自己像が大きく揺らぎ,自分の存在価値を見いだせず,目標を見失いがちになることも予想される。また,自己開示に慎重になったり,大人の視点からは些細なことのように思える出来事をきっかけに自己嫌悪に陥ったりすることも考えられる。 そのため,これらの子どもたちにとっては,友だちの肯定的な言葉がけは,自信や意欲につながり,「自己肯定感」を高めるきっかけになると考える。また,友だちからだけではなく,教師からの言葉がけは自己評価を助け,自分の目標を見直すきっかけになり,大切になってくる。しかし,注意すべきは声かけの仕方である。「こうしたらよい」「こうするべき」など指示的な言葉がけにするの

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