「〇〇くんがいなかったら,はじまらなかっ たよ」の言葉がうれしかったです。どうしてか というと,学習発表会で忙しかったけど,出な いことを選んだらみんなが困ったかもしれない し,出てよかったです。 (2) 児童アンケートから 研究のサブテーマに挙げている,「自己肯定感」の高まりについて,児童アンケート結果から検証した。アンケートでは,いくつかの項目を作成したが,特に「好きなものや得意なこと」「自分にはよいところがある」の項目に注目した。なお,アンケートは実践前と実践後に実施した。 n=22(人) このように,肯定的な言葉がけをもらうことで,自分の頑張りについて実感し,自己理解を深めた。そのことで自分は人の役に立ったのだと実感し,自己有用感を感じている様子が見られた。また,次の活動の意欲になり,さらに高めようとしている様子が見られた。 また2年生では,自分について振り返る活動を通して,自分の存在価値について考えることも多くみられる。 図4-4のように,なりたい自分に向けてがんばっていることを認めてもらうことは,子どもたちにとって大変うれしいことである。活動を通して,自分の活躍を認めてもらうことでは大変重要である。1人1人の役割をもち,その中で努力したことを認めてもらうことは子どもにとってはとても効果があった。 図4-5 2年E児 肯定的な言葉がけをもらっての感想 「練習をたくさんしていて上手になったね」の言葉がうれしかったです。自分は,「練習していてよかった」と思いました。うれしく思いました。がんばったかいがありました。 肯定的な言葉がけは,ただ単にほめるのではない。子どもたち一人一人の目標である,なりたい自分に向けての頑張りや挑戦したことについて,努力したことについてほめることが大切である。それと同時に,その子自身の存在について認めることも大切であると考える。これは,自分の成長について実感をもつと同時に自分の頑張りについて肯定的にとらえられるようになると考えられた。また,それらの活動を通して子ども一人一人が自信をもち,「自己肯定感」を高められることにつながった。 これらは,他の子どもたちからも同様に感じている姿が見られた。そのことから,肯定的な言葉がけは,「自己肯定感」を高めるものとして有効であると考えられる。 〇キャリア・パスポートおわりの様子 子どもたちは「成長ノート」を活用し,1年間の自分の成長について振り返りを行った。 学校行事で自分の成長を実感し,「成長ノート」で振り返りを行うことで自己理解を深めていることがわかる。そのことから,「成長ノート」での振り返りは,キャリア・パスポートおわりにつなぐものとして有効であると考えられる。 2年生児童では,1クラス22人を対象に実施した。 まず,「自分には得意なことはありますか」の項目の結果についてである。 115 図4-4 2年D児 肯定的な言葉がけをもらっての感想 図4-6 2年 キャリア・パスポートおわり 図4-7 2年「自分には得意なことがありますか」 小学校 キャリア教育 15 77.3%100.0%22.7%実践前実践後あてはまる少しあてはまる少しあてはまらない自分には得意なことはありますかあてはまらない
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