001総教CR030517R1研究論文(大嶋)
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112 図3-12 「成長ノート」 振り返りから次のめあてに 「成長ノート」の行事の項目欄には行事名と実施した日時もしくは期間があらかじめ記載してある。行事名を記載したTシャツの絵の中に,行事の終了後に一言で自分の成長を記入した。自分の成長を一目でわかるように工夫をしている。このように「成長ノート」では,自分の活動を振り返るだけではなく,活動を通してできたことや付いた力なども振り返ることができるようにした。 ◇前回の活動の振り返りから これらの振り返りは,次の活動のめあてへつなげることが大切である。 振り返りの際,付けた力をどんな場面で活かせるかを考えさせるとで,次の活動につながると考えられる。また,めあてを考える際に,これまでの振り返りを読み返すことで,今までの自分の成長について知り,それが次のめあてにつながって行く。 2年生の振り返りでは,運動会で「みんなと協力すること」をめあてとして活動し,振り返りを行った。 振り返りでは,「こころを一つにできた」と成長を実感していると同時に,「じぶんのできていないところがわかった」ことを振り返っている。 それらを活かして,次の学習発表会のめあてでも「みんなと協力すること」を選択した。学習発表会での活動では,運動会でできなかった「困っ ている友だちに声をかける」ことを積極的に行い 「協力する力」を高めている様子が見られた。 このことから,学習発表会での振り返りでは,「協力できた」ことを実感していることがわかった。 図3-13は「成長ノート」の記述である。 この記述では,次の活動で,前回付けた力を活かそうとしている様子が見られる。 5年生では,学校行事を通して,なりたい自分に向けて,段階を追って自分の力を高めている子どもの姿があった。その子どもは,「成長ノート」を書く時に前の活動での振り返りを読み返したり,キャリア・パスポートはじめで書いた,なりたい自分や活動前の様子を確認したりして,振り返りをしていた。 図3-14のようにキャリア・パスポートはじめに「みんなのことをひっぱる人になりたい」「人のことを考えて行動する」自分になりたいという記述があった。 図3-15は,その児童の「成長ノート」の振り返 りである。宿泊学習では,困っている児童がいると声かけをしたり,手伝ったりしたりするなど,グループの仲間と「協力」できたことを実感し活動を終えた。 次のめあてへとつなげる 図3-13 2年 「成長ノート」 図3-14 5年 キャリア・パスポートはじめ 小学校 キャリア教育 12

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