001総教CR030517R1研究論文(大嶋)
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図3-11 5年 自分の成長を蓄積している「成長ノート」 小学校 キャリア教育 11 111 図3-8 2年 子どものありのままを認める このように,完璧にできたということよりも,少しの成長を感じられたり,少しの成長でも成長だと気付けたりするには,こうした教師の肯定的な言葉がけや肯定的なもののとらえ方が大切になってくる。子どもが感じたことに対して,できていないことをできるようになるためのアドバイスをするだけではなく,少しの成長に気付き,声かけすることが大切である。 図3-9 2年 子どものありのままを認める 肯定的な言葉がけだけではなく,こうした子ど も自身が成長だと思った記述に対して図3-10のように波線を引き,意識づけ,価値づけることも重要である。そのことで子どもは自分の成長に自信をもち,次の活動でも獲得した力を発揮している姿が見られた。 こうした教師からの言葉がけのほかにも,保護者や地域の人などの大人からの肯定的な言葉がけは有効であると考えられる。 〇自分について振り返る。 活動全体の振り返りや友だちとの交流を基に,活動での自分の成長を考え,「成長ノート」で振り返った。また,振り返りを行う際,活動のはじめに立てためあてを読み返し,めあてをもとに振り返ることができるようにした。以下は,「成長ノート」における具体的な記述である。 ◇自分の成長を蓄積していく 2年生,5年生ともに振り返りでは,「〇〇の力が付いた」「〇〇のことができるようになった。(成長した)」など,自分の成長について書きためる子どもが多かった。 2年生では,付けた力だけではなく,活動のはじめの姿と比べて振り返っている子どもの姿が見られた。図3-10は活動のはじめの姿と比べて振り返りを行っているものである。 図3-10 2年 活動のはじめと比べて振り返る また,5年生では,付けた力についてまとめて書いている様子が見られた。 図3-11では,学校行事で取り組んだことを振り返り,その場面や出来事について思い出し,「〇〇の力が付いた」ことを書きためている。これらは,学校行事を通して,自分が付けた力を「成長ノート」に蓄積し,キャリア・パスポートおわりへとつなげられるようになっている。

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