・目標に向かって努力することのよさに気付く ただ,単にキャリア・パスポートを書くのではなく,目標に向かって努力し,そのことを振り返ることのよさについて共有することで,キャリア・パスポートの使用効果が高くなる。子どもたちのこれまで,めあてと振り返りを行ってきた経験を生かして,キャリア・パスポートの取組を有効に(10) 前掲(1) P.185 (11) 文部科学省「キャリア・パスポート」について 2020年3月29日 (12) 小学校学習指導要領 解説 特別活動編 東洋館出版 2019年2月28日 (13) 前掲(12) P.46 (14) 前掲(12) P.116 ではなく,子どもたちが自ら気付くようにすることこそ重要であると考える。 本研究の実践は,A校は2年生と5年生,B校では5年生で実施した。 第1節 キャリア・パスポート はじめ キャリア・パスポートはじめでは,今の自分についてと,なりたい自分について考えた。また,なりたい自分に向けて頑張りたいことや挑戦したいこと等を具体的に考え,そのことから自分がしたいことを意思決定し,実践までつなげられるようにした。 〇キャリア・パスポートを キャリア・パスポートはじめを書く前に,これまで自分について考えた経験やなりたい自分について目標を考えた経験について振り返り,キャリア・パスポートを活用する意義について考えた。以下は子どもたちと共有した内容である。 子どもたちと共有したこと ・自分の成長に気づくことができること。 ・なりたい自分に向けて挑戦する力が付くこと。 ・自分らしく活躍するためには大切な力(基礎的・汎用的能力)があること。 こと。 小学校 キャリア教育 7 107 「自分について」 第3章 実践について 活用する意義についての共有 活用し,なりたい自分に向けて活用できるようになることにつなげたい。 〇キャリア・パスポート「自分について」 「自分について」の項目では,これまでの活動や思い出などを振り返り,これまでの自分や今の自分について考え,書くようにした。図3-1が5年生の記述内容である。 図3-1 5年 キャリア・パスポートはじめ 「自分について」を書くにあたっては,前年度の活動の写真を見たり,出来事や思い出などを話し合ったりした。そのことから活動中の自分について考えたり,交流したりすることで,今の自分について考え,書くことができた。その活動を行うことで,今の自分について考えることができた。 しかし,自分について書く場面では,2年生,5年生ともに,これまでの自分や今の自分について振り返り,キャリア・パスポートはじめに書くことが難しく,時間のかかる子どももいた。無理に書かせることで,本来の自分の思いを書くことができなかったのでは,本来のキャリア教育でねらう自己理解とは違う。そのために,授業時間内で書けない子どもに関しては,後日改めて時間を設定し,書かせるようにした。 〇キャリア・パスポート「なりたい自分」 「なりたい自分」の項目では,子どもが将来なりたい自分について考え,記述した。 「なりたい自分」を考える際,なりたい自分となると漠然としていて子どもたちは考えにくいことが予想される。そこで,将来なりたい自分については,1年後(次の学年)の姿を考えることで,少しでも具体的なイメージをもちやすくするようにした。 2年生では,1年間を通して,1年生との関わりが多いことが予想されることから,どんなお兄
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