図4-9を見ると,「そう思う」「だいたいそう思 図4-10 児童質問紙調査回答結果⑥ 図4-10を見ると,肯定的に回答した割合は,実践前は91.4%で実践後は91.8%とほとんど変化はしていない。しかし,「そう思う」と回答した割合が減少している。学年ごとの回答割合を詳しく見てみると,A校で11ポイント減少し,B校では6ポイント上昇していた。A校では,論証フレーム等が習得できていると考えた。そのため,敢えて論証フレーム等を総合的な学習の時間に明示しなかったが,B校ではそれらを明示した。この違いが要因の一つと考えられる。この要因により,A校の多くの子どもたちは結果的に,理科で身につけた力が発揮でn=88(人)n=88(人)n=88(人)4.1%n=88(人)図4-7を見ると,肯定的な回答をした子どもが約9割になり,「思わない」と回答した子どもが0.0%となった。対話カードを示したことで,話合いの在り方を習得していったことが伺える。 加えて,対話カードを示したのは,クリティカル・シンキングを促すためでもある。そこで,批判的に考えることへの意識について,複数のこと を問うた。そのうちの三つのアンケートの結果を 図4-8に示す。 実践前 実践後 実践前 実践後 実践前実践前 実践後実践後 13.6%13.6%19.7%19.7%16.4%16.4%図4-8を見ると「観察や実験のやり方がまちがっていないかをふり返っている。」や「考察するときや結論づけるとき,他に考えがないか言いすぎていることはないか考える。」の質問に対し,肯定的な意見が全て上昇している。加えて「実験の結果は一つあれば十分だと思う。」という質問に対し,一つでは十分ではないという回答が実践後には全体の約8割となっている。この他の「友だちや先生の話を聞く時,まちがいがないか考えながら聞いている」「意見をまとめる時,考え方が正しいかどうかで結論づけている」等の質問に対し,どの質問でも9割以上の子どもが肯定的な回答をしていた。 これらの結果から,対話カードを示すことで子どもたちが考えを構築していく際,考え方や情報等を鵜呑みにせずクリティカル・シンキングを働かせて解を導いていることが考えられる。 加えて,他者との対話的な学びが自身の考えを 広げたり深めたりすることにつながっているかを問うたアンケートの結果を図4-9に示す。 実践前 実践後 う」が実践前より7.2ポイント上昇し,9割を超える結果となった。このことからも,対話カードにより話合いが充実した様子が明らかとなった。 <教科横断的な学びについて> 理科で習得した科学的な問題解決力を総合的な学習の時間で発揮・活用するといった学習展開をすることで,汎用性のある能力になることを目指した。実際に子どもが習得した科学的な問題解決力を意識していたのか,理科で学んだ力を他の学習に生かせると思うかを問うたアンケートの結果を図4-10に示す。 47 観察や実験のやり方がまちがっていないかをふり返っている。n=88(人)31.7%41.0%34.4%34.4%26.7%26.7%6.6%6.6%図4-8 児童質問紙調査回答結果④ 考察するときや結論づける(まとめる)とき,他に考えがないか言いすぎていることはないか考える。実験の結果は一つあれば十分だと思う。実験の結果は1つあれば十分だと思う。20%20%0%0%そう思うそう思う40%40%だいたいそう思うだいたいそう思う60%60%80%80%n=88(人)あまり思わないあまり思わない思わない思わない友だちと話合うと,自分の考えが広がったり深まったりすると思う。4.5%図4-9 児童質問紙調査回答結果⑤ 4.9%6.3%3.3%小学校 学習指導法 19 そう思う実践前実践後そう思うだいたいそう思うあまり思わないあまり思わないだいたいそう思う思わない思わない37.1%26.7%39.3%14.8%36.2%23.1%39.3%23.0%26.2%26.2%33.5%33.5%57.4%57.4%0%理科の学習で身に付けた力などは,他の学習で活用(使えそう,役立ちそう)できると思う。100%100%0%44.1%62.3%60.8%52.5%40%20%60%40%20%80%80%60%100%12.6%2.7%40.5%29.5%3.3%100%4.9%4.5%30.6%6.6%1.6%39.3%
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