モーターと電池,スイッチを使 A 4545 123 簡易検流計 簡易検流計 簡易検流計 簡易検流計 36 る。例えば,行動分析や質問紙調査,市販テストなどである。本研究では科学的な問題解決力の育成を探究的な学習を通して迫っていく。そのため,科学的な問題解決力を発揮・活用している場面を観察し分析する必要がある。特に,総合的な学習の時間は理科で身に付けた科学的な問題解決力を発揮・活用できる機会となるため,言動やノートなどの記述から,効果を分析できる機会と考える。 さらに,総合的な学習の時間で科学的な問題解決力を発揮・活用させたことで,さらにその資質・能力が高まったと考えられる。言い換えると,応用させることで,「どのように応用させればよいか。」「どのような場面で応用できるのか。」といったさらに深い習得になると考えられる。そのため,本研究で目指す科学的な問題解決力は理科以外の場面での発揮・活用後の理科の学習で,さらに高まった資質・能力として見取ることができるだろう。 そこで,科学的な問題解決力を測るために記述式のテストを作成し,効果の見取りを行う。本市小学校の多くは,単元末における市販のテストを中心に実施しているが,市販のテストでは科学的な問題解決力を図ることは難しいと考える。なぜなら,市販テストの多くは穴埋め形式であったり,記述式の解答であっても授業で表現したことをそのまま解答させたりするといった,いわゆる記憶したものを表出させる出題傾向が強いからである。科学的な問題解決力は様々な場面で応用できることから,記憶を表出させるだけではなく,新たな状況の問題に対し,解決する力を見取る必要がある。本研究では単元の内容に関わる新たな問題を提示し,その問題に解答を記述するテスト(以下.論証確認テスト)を作成する。その作成した論証確認テストを右図2-5に示す。 右図2-5のような論証確認テストでは,問題文に事実や証拠となるものを提示することで,それを基に自分の考えと理由を加えて解答する出題になっている。子どもの解答を分析し,事実や証拠,理由,主張が含まれ,適切な内容かを分析することで科学的な問題解決力の育成に迫っているかを見取る。 また,見取りには以下の二つを位置付ける。 ① 「単元ごとの論証確認テスト」 授業実践を行った単元について単元末に行う。これにより,単元を通して科学的な問題解決力が向上したかを見取る。 ② 「事前・事後 論証確認テスト」 ぼくは,電池の向きを変えたらいいと思う。たしか電気は+から流れるから,モーターに近い方が+だと電気もすぐに伝わりそう。 *切りかえスイッチは「電磁石」側に している。 私は,電池を増やしたらいいと思う。だって,まっすぐならべたら,いきおいよく電気が流れそうだから。 (アンペア) A A 単3形 私も,電池の数を増やしたらいいと思う。なぜなら,電気が合体して強くなりそうだから。 A A 電磁石(5A)モーターまめ電球(0.5A)0123A第4学年「電池のはたらき」 名前 って,右のようなモーターカーAを作りました。 まさおくんたちは電池のつなぎ方や向きを変えて,Aより早く走る車を作ろうとしています。 まさおくん のぞみさん さくらさん ①A車の電流の大きさを検流計で測りました。 右図のようになったときの,電流の大きさは いくらでしょう。 ③次に,回路を流れる電流の大きさや向きを調べてみました。 上の実験結果から,B~Dのどの車がAよりも早い車だと言えますか。選んだわけを「電流」と「モーター」という言葉を使って書きましょう。 Aより速い車は である。 わけは, 図2-5 論証確認テスト例 小学校 学習指導法 8
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