表3-4合意形成を目指す話合い活動テーマ(B校) 1学級会1学期がんばったねパーティーの内容について話し合おう 2こんなグループにしたいなという思いが伝わるようなグループ名を決めよう①3車いすバスケットボールの選手に感謝の気持ちを表す方法を考えよう 学習の時間4手話付き「パプリカ」を全校のみんなに広め,学習発表会当日みんなが楽し学級活動5こんなグループにしたいなという思いが伝わるようなグループ名を決めよう② 「①戦争の時代に生きた人々」「②障害のある人々」のどちらをテーマに学習を進めていくか話し合おう(発表会) それを共有することができてきた。それを受けて,その次の話合い活動(右側)では,互いの考えや立場を理解し尊重する力を育むために,二つの課題から一つを選ぶという今までとは違う課題を設定した。そうすることで,「意見を合体する」「少しずつ全部取り入れる」といった今まで学んだ合意形成の方法を活用できず葛藤する中で,一つの意見に決めるためには,それぞれの考えや立場を理解し,尊重することが大切だと気付くことができることを期待し設定した。 初は話合いの形態を主にグループとした。少人数の方が一人一人の意見を反映しやすく,合意形成を容易に行えると考えたためである。そしてその経験を生かし,最終的には学級全体での話合い活動においても,それぞれが自分の思いを伝え合いながら折り合いをつけることを目標として計画を立てた。 (2)話合い活動を「つなげる」ために ○○○○○○689プ○○○○○ 教科学級活動総合的な7調べた内容の中から学習発表会でどんなことを伝えたいか話し合おう総合的な①パプリカを広めるために A:ポスター係 B:ビデオ係②教えに行くのは低学年か高学年かそれぞれグループメンバーのよさがいきるのはどちらか話し合って決めよう学級アンケートをもとに,みんなが思う学級のよさや課題を知り,課題を解決するために学級活動を使ってどんな取り組みができるか考えよう学習の時間学級活動10学級の課題を解決するためにみんなが楽しめる遊びを2つ考えよう11総合的な学習の時間総合で学習したことを生かし,学校のみんなが楽しんでもらえるためのブース作りの担当を決めようグルー学級全体学級全体+グループ14 合意形成を目指す話合い活動を意識的につなげる大切さについて第2章第2節(2)で述べたが,そのために,それぞれの活動で共通する手立てを使っていく。それらを,教員が意識的につなげていけるようにするものと,児童がつながりを意識できるようにするためのものに分けると以下のようになる。 ○教員が意識的につなげていくための手立て ・話合い計画・振返りシートへの記入 ●児童がつながりを意識できるようにするための手立て ・児童用話合い振返りシート ・合意形成の方法の共有(掲示物) ・場面リーダー輪番制 以下,どのように活用していったのか,また活用した際の児童の様子等を述べる。 〇教員が意識的につなげていくための手立て ・話合い計画・振返りシートへの記入 話合い活動の前には,第2章第2節(2)で述べた話合い計画・振返りシートを教員が活用し,計画をたてた。 図3-1は,実際に実践の中で活用し,振返りを次の改善に生かした活用例である。 左側の振返りで,「いろいろなまとめ方が出てきている」とあるように,いろいろな合意形成の方法を話合い活動の中で児童が考え出すことができ, このようにして行った実践をまた振返り,次の実践の改善につなげられるよう,「次に向けて」の欄に教員が振返りを記せるようにした。また,振返りでは生徒指導の3機能チェックも行い,それぞれの項目を意識しながら指導したか振返り,次に生かせるようにした。例えば,生徒指導の3機能の一つである「自己決定の場を与える」であれば,「1人で考える時間をとる」ことを教員が意識することで,1人でなかなか考えを出せない児童に支援を行うことができるだろう。このように,それぞれの項目を意識する中で,児童の実態に応じた適切な支援ができるように活用した。 ●児童がつながりを意識できるようにするための手立て ・児童用話合い振返りシート 第2章第2節(2)で述べたように各教科等で行う話合い活動等のワークシートに共通の振返り欄を設けた。それを記入することを通し,児童が,話合い活動でつながりを感じ,学んだことを別の話合い活動で生かすことができるようにするためである。図3-2は共通の振返り欄を設けたワークシートの例である。 図3-2のように異なる学習でも,共通の文言で 図3-1 話合い計画・振返りシート実践活用例 小学校 特別活動 10
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