001総教CR030517R1研究論文(木村)
8/26

試 行 錯 誤 以上を踏まえ,プログラミング教育とは, 評価 (2)内閣府『日本再興戦略-JAPAN is BACK-』2013.6.14 (3)経済産業省『IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結 果を取りまとめ』https://www.meti.go.jp/press/2016/06/20160610002/20160610002.html 2019.5.31 (4)岡島裕史『プログラミング教育はいらない―GAFAで求められる力とは―』光文社新書,2019.2.p.26 (5)文部科学省『小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論のとりまとめ)』2016.6.p3 (6)文部科学省『小学校段階における論理的思考や創造性,問題解決能力等の育成とプログラミング教育に関する有識者会議(第2回)議事録』2016.5.pp.2-6 この会議の中で,人工知能が苦手なことや人間の強みが紹介されているので,それらを参考に記述した。 (7)文部科学省『小学校プログラミング教育の手引(第二版)』2018.11.p.6 56 表1-4 京都市におけるプログラミング的思考の重点と,筆者の考えるプログラミング的思考の要素の対応これらの5要素は,京都市の「分解・構築・試行錯誤」という重要ポイントにも対応していると考えられる。 つまり,問題解決のために,【分解】ものごとを分解したり抽象化したりしながら捉え,【構築】解決のために必要な手順を,抽象化やアルゴリズム的思考や一般化の思考を活用しながら構築し,【試行錯誤】構築したものを自分の意図に照らして評価し,より意図に近づくように修正していく,というように対応していると考えられる。筆者の解釈による対応関係を表1-4に示す。 ①コーディングを行うことではない。コンピュータの働きや良さを知ることでよりよく活用できるようになったり,よりよく解決策を考えることができるようになったりすることを目指す。 ②問題解決のための思考をプログラミング的思考と言うが,コンピュータでプログラムする場合に限らず様々な問題解決に有効である。 ③プログラミング的思考は,分解・抽象化・アルゴリズム的思考・一般化・評価で構成されている。 と言える。 京都市分解構築筆者による定義分解抽象化アルゴリズム的思考一般化(8)前掲(6).p.1 (9)文部科学省『小学校学習指導要領』2017.p.19 (10)同.p.22 (11)文部科学省『小学校学習指導要領解説総則編』2017.3.p.85 (12)京都市教育委員会『京都市小学校プログラミング教育スタートハンドブック』2019.9.p.3 (13)文部科学省『小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論のとりまとめ)』2016.6.p.8 (14)磯部秀司,小泉英介,静谷啓樹,早川美徳『コンピュテーショナル・シンキング』共立出版株式会社 2016.3.25 (15)太田剛,森本容介,加藤浩『諸外国のプログラミング教育を含む情報教育カリキュラムに関する調査―英国,オーストラリア,米国を中心として―』日本教育工学会論文誌,40(3)2016.p.198 (16)ベネッセ,プログラミング教育情報『図で解説「プログラミング的思考とは」』http://beneprog.com/2018/07/13/computationalthinking/ 2019.5.29 (17)日経Kids+『子どもと一緒に楽しむプログラミング』日経BP社 2017.4.17 pp.22-23 (18)前掲(16) 第2章 プログラミング的思考を育むため 第1節 教員が意識するために (1)教員への意識調査から プログラミング教育実施にあたっての最大の課題は,小学校の教員とプログラミングとの距離が遠いことであろう。多くの教員が実際にプログラミングをしたこともなければ,CTなどの考えに触れたこともないと思われる。そのことを示すデータとして,黒田らによる教員のプログラミング教育に対する認知についての全国調査の結果(19)を図2-1に示す。 図2-1 プログラミング教育に対する認識 小学校 情報教育 6

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る