001総教CR030517R1研究論文(今川)
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の食生活を振り返り,食生活の課題を整理し,それらを改善するための具体的な行動目標の設定を行う。このようなプロセスを積み重ねていくことにより,生徒の食選力が向上すると考える。 図1-1 本研究の構想 (1) 中川李子ら「食と緑の科学(64)」千葉大学大学院園芸学研究科 2010.3 pp.55~65 (2) 農林水産省「食育の推進に向けて~食育基本法が制定されました~」2006.1 http://www.maff.go.jp/kinki/syouhi/seikatu/iken/pdf/syoku_suisin.pdf p.1 2020.3.1 (3) 前掲(2) p.2 また,生徒の食選力の向上のためには,学校全体で食育に取り組む必要性がある。本市の中学校には栄養教諭が配置されておらず,食育の中心となる役割を担う人が明確ではない。教科の特性上から家庭科教員が,あるいは健康管理という面で養護教諭がその役割を担っている学校が多いが,本来,食育は教科横断的に全教職員が取り組むべきものである。学校生活のあらゆる場面で,様々な教職員が生徒に対して食に関する声かけや指導を行うことにより,生徒が食について考える時間が増加する。また,中学校は教科担任制のため,様々な教職員が自分の教科の視点から食育を行うことで,生徒も食育は「誰でも」「どの教科の先生でも」「どの時間でも」行うという認識をもつだろう。そして生徒会活動に食育の視点を取り入れ,各委員会で取組を行うことで生徒が主体的に食を通した健康について考え,学校全体で取り組むことができる。このように,学校生活の様々な場面で学校全体での食育に取り組み,生徒の食選力の向上を目指す。 中学校 食育 5 (4) 農林水産省「『第3次食育推進基本計画』 啓発リーフレット」2017.3.9 p.4 (5) 前掲(4) p.2 (6) 文部科学省「食に関する指導の手引―第二次改訂版―」 2019.3 p.1 (7) 前掲(6) p.2 (8) 文部科学省「『食に関する指導の手引(第二次改訂版)』のポイント」 2019.3 http://www.mext.go.jp/component/A_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2019/05/07/1293002_1_1_1.pdf p.1 2020.3.1 (9) 京都市教育委員会「学校教育の重点2019」 2019.4.16 p.2 (10) 岸田恵津ら「兵庫教育大学 研究紀要 第44巻」 2014.2 pp.125~134 (11) 前掲(6) p.16 (12) 前掲(6) p.16 第2章 生徒の食選力の向上を目指して 81 第1節 事前アンケートより (1)生徒アンケート 研究を進めるにあたり生徒の現状を把握するため,研究協力校2校(A校・B校とする)において生徒を対象としたアンケートを実施した(以下,生徒事前アンケート)。調査実施期間は令和元年6月18日~令和元年7月18日,対象生徒は普通学級の1~3年とした。実施人数はA校450人,B校472人であった。調査では自身の食生活の実態や食に対する意識について問うた。 表2-1は朝食についての設問に対する回答である。「朝食を食べていますか」という設問では,A校とB校に同じ傾向が見られた。「平成30年度全国学力・学習状況調査」によると,「朝食を毎日食べている」という設問に対し,「している」と回答した中学3年生の割合は79.7%であり(13),本調査との有意差はなく,中学生の現状を示す結果となった。「朝食に何を食べていますか」では,朝食の栄養バランスの状況を知るため,赤(肉・魚・卵・乳製品・大豆製品・海藻),緑(野菜・果物),黄(ごはん・パン・麺類)それぞれの食品を朝食で食べる頻度を問うた。その結果,A校・B校共に「黄の食品」を「毎日食べる」と回答した割合は80%以上と高いが「赤の食品」と「緑の食品」を「毎日食べる」と回答した割合は40%以下であった。

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