001総教CR030517R1研究論文(今川)
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黄赤緑 0(%)図3-8 朝食に何を食べたか 92 図3-7 掲示物 べることを意識したり,見直したりする時間となっていくと考える。 また,放送担当の生徒は原稿を考える中で,給食に使われている食材や栄養について知る機会となった。継続して取組を行うことで,多くの生徒が食育放送に携わることができた。 (2)朝食調査 生徒が朝食をとる必要性を理解し,調査を通して自分の食生活の問題点に気づき,改善しようとするきっかけとなることを目的とし,取組を行った。取組期間はA校・B校共に令和元年12月2日~令和元年12月6日の5日間とし,保健委員会と連携し取組を行った。取組にあたり,学校ホームページで取組内容についての紹介や取組の様子を掲載してもらい,保護者へのアプローチを行った。 取組の詳細について,A校の実践を中心に述べる。 調査内容は朝食喫食の有無,朝食の内容,就寝・起床時間とした。第2章第2節(2)(p.10)で述べたように,「朝食を食べたかどうか」だけでなく,「朝食に何を食べたか」に重点をおき,調査を行った。具体的には赤・緑・黄の食品を朝食でとることができたかを調査し,朝食の栄養バランスを振返らせた。また,赤・緑・黄の食品分類は家庭科授業での学習を生かして行った。これらの内容を1日1枚,マークシート形式で行い,1日毎に集計し,結果を掲示した。保健委員会で作成した掲示物を図3-7に示す。保健委員は昼休みにその日の集計結果を書き替え,常に最新の情報を掲示した。 取組期間中に朝食を食べた割合の平均値は,第2章第1節(1)で示した表2-1(p.6)の「朝食を食べていますか」という設問で「毎日食べる」と回答した割合より14.4ポイント増加した。朝食調査の取組までに,家庭科授業において食選力チェックシートや知識活用問題で朝食について取り扱ったこともあり,朝食を食べている生徒が増加したと考える。 朝食調査での「朝食に何を食べたか」という設問について,取組の結果を図3-8に示す。 100 90黄の食品は取組期間中を通して一定の割合を保った。課題であった赤と緑の食品について,取組初日と最終日を比較すると,食べた生徒が増加した。毎日のチェックを行うことで,朝食にパンやごはんといった黄の食品だけでなく,赤や緑の食品を食べる意識をもち,行動に繋がったと考えられる。また,取組の前に知識活用問題(p.12)で朝食について問題に取り組んでいるため,朝食に赤や緑の食品を取り入れる方法が分かり,考えたことを実践する機会となったことも,この結果に繋がったと考えられる。しかし,生徒事前アンケートと同様に,朝食調査においても,黄の食品に比べると,赤や緑の食品を朝食に取り入れている生徒が少ないという傾向が見られた。 また,マークシートとは別に記述での振返りシートにも取り組んだ。生徒はマークシート記入後,その日の朝食についての振返りを記述で行った。反省点や改善点を整理し,翌日の目標を明確にさせた。実際に使用した振返りシートを図3-9に示す。 振返りシートは取組期間を通して1枚とし,毎日の振返りを積み重ねていき,最終日に5日間を通した振返りを記入する際の材料となるようにした。また,この振返りシートには保護者確認欄を設け,学校での取組を周知するとともに,家庭でも食について考えてもらうことを期待した。生徒が記述した振返りを図3-10に示す。 このように,生徒が朝食をしっかりと食べるための時間を確保するために早寝早起きをしたり,栄養バランスのことを意識して食べたりするなど,生徒自身が様々なことを考えながら取り組んでいた。また,前日の反省点を翌日に生かし,改善することができている生徒も見られ,意識をして取り組んでいる様子が伺えた。 8070605040302010中学校 食育 16 88.066.4 38.4 88.7 89.4 90.6 73.0 72.1 73.050.2 46.7 87.8 74.0 72.4 74.01日目2日目3日目4日目5日目

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