表3-1 課題意識について ・知識編はすべてできているけれど,行動編が何もで きていなくて驚いた。知識があっても実践できていなれば意味がないんだなと思った。これからは行動にせるようにしていきたい。 ・もっとチェックがつくと思っていたのですが,朝や 弁当となると,バランスが偏ってしまうので,夜や 休みの日に野菜を取り入れられるようにしたいと思いました。 ・これから受験とかで体を壊すことをさけたいので, 無理せず,朝ごはんをしっかりと食べる。 ・もっと野菜をとっていこうと思った。昼は給食でと れているが,夜にとれていないので,夜に多くとるようにする。 ある ない 91 49.8 44.5 自分の食生活に問題があると思いますか(%) わからない A校 B校 13.1 16.5 自分の食生活に問題が「ない」と「わからない」と回答した割合を合わせるとA校・B校共に85%前後であった。このことから,食生活に問題があったとしても,その問題点に気付いていない,あるいは分かっていない生徒が多いことが分かる。 しかし,チェックを行うと全てにチェックがついた生徒はA校・B校合わせても数人であり,今の自分の食生活に不足していることがある生徒が多いという実態であった。また,食選力チェックシートの記述での振返りでは多くの生徒が自分の食生活の課題や改善点を記述していた。生徒が記述した振返りを以下に示す。 振返りの内容は知識に関する課題を感じている生徒,知識はある程度身についているものの,行動に移すことが出来ていない生徒など様々であった。その中で,今後はどのような食生活を送るかを具体的な行動で記述している生徒が多数見られた。また,「受験に向けて」や「体づくりのために」など,自分の目標を設定している生徒もいた。チェックの内容を,知識面や行動面など具体的な項目で示すことにより,自分の課題が明確になったと考えられる。また,チェックシートを通して改めて自分の食生活や食選力について振返り,今の自分にできることが明確になったと考えられる。 第2節 生徒会活動の具体 (1)食育放送 生徒の食に対する意識を向上させることを目的とし,昼食時間に食と健康に関する放送を行う取組を行った。また,放送の内容に給食を取り上げることにより,給食の教材としての効果を引き出すことも目的とした。食育放送の日には食育放送が始まる合図として決まった音楽を流し,給食の献立紹介後,献立に関わる栄養や食材についての内容を放送した。放送原稿の例を以下に示す。 A中学校 食育放送 原稿(9/24・地産地消) ☆音楽を流す 37.1 39.0 A校では保健委員会と連携し,9月中旬より週に1回,放送の中に保健委員会からの食育放送を組み込み,保健委員が放送を行った。放送内容は放送担当の保健委員が事前に作成し,委員会担当教員が点検をした。B校では放送委員会と連携し,取組を行った。新生徒会役員決定後の取組として 11月中旬より毎週月・水・金の3回実施した。 教室では普段,何気なく流れている昼食時間の放送ではあるが,給食を申し込んでいない生徒でも,給食を食べている生徒が近くにいると,給食を見て放送から聞こえてきた魚の名前を確認する姿が見られた。また,取組を継続して行うことで,教室にいる生徒は食育放送開始の音楽が流れると,「これ食育の音楽やんな」と反応している様子が見られた。昼食時間は限られているため,慌ただしく昼食の準備をしたり,急いで食べなければならなかったりすることもある。そのため,落ち着いた雰囲気の中で放送を聞かせることができない場合もあるが,昼食時間を食育の機会の一つとすることで,生徒だけでなく教職員にとっても,食これから食育放送を始めます。今日の担当は保健委員会○年○○○○,○年○○○○です。 きょうの給食は「麦ご飯,鰯のかば焼き,大根葉のごま油いため,キャベツとコーンのソテー,きゅうりの土佐煮,人参のごまあえ」です。 今日の地産地消食材は鰯です。京都府舞鶴産の鰯が使われています。鰯の脂質にはDHAやEPAが豊富に含まれています。カルシウムやビタミンDも豊富です。 ちなみに,鰯は秋に旬を迎えます。旬のおいしさを味わいましょう。 昼食をしっかりと食べて,午後も元気にがんばりましょう。これで食育放送を終わります。 ※網かけ部は定型文 中学校 食育 15
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