上 パフォーマンスの向練 習 期 試 合 期 項目 これらの項目は食生活を少し見直すことで改善されることもあります! 結果 心 (強い気持ち) 技 (練習) 栄養 カラダ 休養 (食事) (睡眠) 不足している栄養素の働き エネルギー源 カラダづくり 体調を整える 体調を整える エネルギー源 エネルギー源 カラダづくり 体調を整える エネルギー源 スポーツを頑張っているみなさんは,「試合に勝ちたい」,「記録を伸ばしたい」,「あの選手みたいになりたい」などの夢や目標をもっていると思います。そのために日々の練習に励んでいることでしょう。 その中で,毎日の「食事」がとても大切な役割を果たしていることを知っていますか? 私たちのカラダは食べたものからつくられています。 そのカラダで毎日の練習を繰り返して基礎体力がつき,技術が身につき,その技術が向上していきます。毎日の厳しい練習を乗り越えていくと,精神力にも磨きがかかり,心の強さも培われていきます。その総合力が結果(パフォーマンス)となってあらわれてくるのです。 ☆成長期にある中学生にとって食べることはとても大切! 「日常生活の分」+「スポーツの分」+「成長の分」の栄養が必要。だから「たくさん食べよう」と言われるのです。 ☆体調チェック表 チェック とを,朝食調査を通して生徒が考えられるようになり,少しでも実践しようとすることができるようにしたい。 また,その際,家庭科での学びを生かした朝食調査を行う。具体的には知識定着問題で取扱う食品の赤・緑・黄の分類を朝食調査でも行い,栄養バランスを点検する。学習内容と生徒自身の生活が繋がり,知識を活用し実践する機会となるだろう。 また,朝食は家族の生活習慣にも大きく左右されることから,保護者へのアプローチも必要になる。取組前に学校のホームページで取組について紹介し,家庭での協力を促す。このことをきっかけに,家庭でも食生活について考えたり見直したりすることも期待できるであろう。 (3)教職員の食を意識した生徒との関わり 第2章第1節(4)(p.9)で述べた教職員の実態とその要因の解決を目指すため,新たに食育の時間を設けるのではなく,今設定されている学校教育活動の時間を有効に使い,食育を推進できるような実践を行う。 教職員と生徒との関わりは授業以外でもたくさんある。朝学活や終学活,昼食時間や部活動など様々である。その中で,生徒への声かけや何気ない会話をすることが多くあるが,その際に食に関することを意識し,生徒に関わっていくことが大切である。例えば,朝学活では朝食を食べてきたかどうかを聞いたり,昼食指導の際には「野菜も食べよう」と声をかけたりすることが考えられる。給食を申し込んでいない生徒が家庭からの弁当を持参せず,コンビニ等で買ってきたであろう菓子パンやおにぎりなどで昼食を済ませている様子を見た時には積極的に声をかける。そして,このような状態が続くようであれば栄養バランスのことも考えて給食を勧めたり,給食を申し込まない場合でも中学生の昼食に菓子パンやおにぎりのみではどうかということを生徒に考えさせたりできるような声かけをする。また,好き嫌いせずに何でも食べている生徒や,自分で作った弁当を持参している生徒を褒める声かけをすることもできる。このような日常生活での食に関する声かけ例を一覧表にして提示することで,日常生活の中でも食育を行う機会があるということを示し,少しでも意識をもつきっかけになると考える。 部活動,特に運動系の部活動では体力づくり,体づくりなどと食を関連させることができる。C(13)国立教育政策研究所「平成30年度全国学力・学習状況調査報告書【質問紙調査】」 2018.7.31 https://www.nier.go.Mやテレビ番組などでトップアスリートが食生活を大切にしていることはよく聞いたり目にしたりすることがある。トップアスリートでなくても,スポーツをする上で食事はとても大切であることを生徒に理解させ,自分にできることから始めていけるような資料を提示したり,話をしたりすることで,生徒の食意識を高める。 また,このような資料を提示することは教職員の知識の向上にも繋がり,生徒への具体的な食指導の推進が期待できる。部活動を頑張りたいと思っている生徒は多いはずである。そのような生徒にとって部活動と食べることを関連づけることで,自身の健康や成長について自分事として捉えるきっかけになると考える。図2-2は部活動指導資料の一部である。 この他にも生徒と関わるあらゆる場面で食に関する声かけを教職員が意識的に行い,生徒がふとした瞬間に食生活や自身の健康,成長について考える時間を増やし,自分の体や健康には食べることが大きく関わっていることを理解した上で,食選力を働かせることができるようにしていく。 87 図2-2 部活動指導資料 中学校 食育 11 □ 練習がきつくてついていけない □ ケガをしやすい,貧血といわれた □ いつもだるくて疲れが残っている □ 目覚めが悪い,授業中ボーッとしている □ 試合後半のスピードが落ちる,バテがひどい □ 集中力が落ちる □ 体力がない,あたり負けをする □ 緊張する,カゼをひきやすい □ 体重が減ったまま戻らない 「食べること」で夢や目標に近づく スポーツと⾷事〜基礎編〜 (「ジュニアのためのスポーツ⾷事学」柴⽥麗・著 株式会社学研プラス より) ☆「食事」はスポーツのパフォーマンスの基礎(土台)
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