○授業の中で給食の献立を例に挙げ,説明をしている。 ○食の学習はくり返し取り組み,「大切」と伝わる ○季節の食事や行事食などの話を授業で紹介している。 ○朝食の大切さや保健だよりの紹介を授業内で扱って ○給食,お弁当に関わらず残さず食べることや,体調 ○給食の容器を返しに来た生徒に,完食したかどうか ○授業以外でも,食事に対して課題が見られるような 全体として授業に関わる内容の回答が多く得られた。家庭科教員として授業で生徒へのアプローチをすることは重要であり,必要な知識や技能を習得させることは必要不可欠である。 実態 要因 実態 教職員 要因 ついての課題を感じていたり,家庭科教員として食育にどのように関わっていくかが明確でないことを感じていたりする教員もいることが伺える。 では,家庭科教員として具体的にどのようなことが取り組まれているのだろうか。記述式アンケートでの「食育に関することで,家庭科教員として意識してやっていることがありましたら記入してください」という設問に対する回答の一部を以下に示す。 さらに,授業以外の場面でも声かけや掲示物等,食育に関する取組をしているという回答もいくつか得られた。家庭科教員としてまずは授業でできることを行い,習得した知識を様々な場面で繋げたり活用したりできるような働きかけを授業以外の場面でも進めていくことが学校全体での食育に繋がるのではないだろうか。 表2-7は食育推進体制についての設問に対する回答である。 表2-7 食育推進体制について 16.0 28.0 「食育を推進するための校内組織(食育推進委員会など)の設置はされていますか」という設問で,「設置され機能している」と回答した割合は16%であった。第2章第1節(2)(p.7)で述べたが,食教育主任はいるものの,食育の推進といようにしている。 いる。 がすぐれない生徒には朝食の有無の確認などの声か けを授業,クラスで行っている。 を尋ねる。 生徒には個別に声かけをしている。 食育を推進するための校内組織(食育推進委員会など)の設置はされていますか(%) 中学校 食育 9 う面では機能していない学校が多いことが推測される。そのことも踏まえると,学校全体での食育を推進するための体制が整っていない現状が伺える。このような現状の中で家庭科教員は授業でできることを行ってはいるものの,家庭科の授業のみでは十分な食育とはいえないだろう。担任や養護教諭をはじめ全教職員で食育に取り組むことができるように,家庭科教員が専門的な立場として学校全体での食育に積極的に関わっていくことも必要であると考える。 (4)事前アンケートから見えたこと 事前アンケートから分かった,生徒及び教職員の実態とその要因と考えられることを表2-8にまとめる。 表2-8 実態とその要因 生 徒 本研究では,上記の要因を解決することで,生徒の食選力が向上すると仮説を立て,実践検証を行う。 第2節 多角的なアプローチ (1)家庭科授業 家庭科授業においては,小学校,中学校の「食生活」の単元で取り扱う内容の知識を定着させたり,知識を活用する力を身につけさせたりできるような取組を行う。この取組は表2-8に示した生徒の実態とその要因を解決する手立てになると考える。 24.0 小学校での学習は中学校での学習の基盤となるため,小学校で学習する基礎的な内容についても振返り,学習内容の定着を図る。主に栄養に関す栄養バランスや規則正しい食習慣について,ある程度理解し,重要性を感じてはいるが,行動に結びついていない。 ・栄養バランスなどを考えることは,自分にとって必要だと感じていない(自分事として捉えられていない)。 ・栄養バランスなどを考えるための知識が不足している。 食育を意識的に行っている教職員はいるが,学校全体で取り組む食育の推進は積極的に行われていない。 ・食育のための時間がとれない。 ・食育をどの時間で行うのかが曖昧である。 85 32.0 設置され,機能している あるが機能していない 設置されていない わからない
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