最終稿【今川】
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第1章 テーマ設定の背景 (1)研究の概要 実態 要因 実態 要因 教職員 はじめに 第1節 1年次の研究より 1年次の研究では,生徒の食選力の向上を目指し,技術・家庭科 家庭分野(以下,家庭科とする)の授業や生徒会活動などの学校教育活動に食育の視点を取り入れた実践を行った。ここでいう食選力とは,「心身の健康のために何をどのように食べるかを,栄養に関することを根拠に選択する力」とした。実践を通して,生涯にわたる心身の健康が生きる力の基礎となることを生徒がしっかりと理解し,そのために,何をどのように食べればよいかを自己決定し,行動できるようになることを目指した。 研究を進めるに当たり,生徒及び教職員の現状を把握するため,研究協力校2校において生徒及び教職員を対象としたアンケートを行った。そこから読み取れた,生徒及び教職員の実態とその要因と考えられることを表1-1に示す。 表1-1 生徒及び教職員の実態とその要因 生 徒 1年次の研究では,上記の要因を解決することで,生徒の食選力が向上すると仮説を立て,実践・検証を行った。 家庭科授業においては,食べるものを選択する際に必要となる栄養に関する知識の定着を図り,(1)農林水産省『食育の推進に向けて~食育基本法が制定されました~』2006.1 http://www.maff.go.jp/kinki/syouhi/seikatu/iken/pdf/syoku_suisin.pdf p.1 2021.3.1 (2)農林水産省『「第3次食育推進基本計画」啓発リーフレット』2017.3.9 (3)文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説総則編』東山書房 2018.3.30 p.31 平成17年6月10日,第162回国会で食育基本法が成立し,同年7月15日から施行された。この法律において食育は,栄養指導だけにとどまらず,生きる力や豊かな人間性を育むものであると明記されている(1)。また,食育基本法に基づき,食育の推進に関する基本的な方針や目標を定めた食育推進基本計画が5年ごとに策定されている。現在は平成28年度から令和2年度までの5年間を期間とする第三次食育推進基本計画により,各種の施策が推進されている(2)。 では,学校教育における食育の位置付けとは,どのようなものだろうか。新学習指導要領総則に,学校における食育の推進を位置付け,各教科等の特質に応じて適切に行われるよう留意することが明記された(3)。これを受け,「食に関する指導の手引-第二次改訂版-」が作成され,学校における食育の必要性や食に関する指導の目標等が示された(4)。 本市では,新学習指導要領における食育の位置付けを念頭に置いた上で,京都の文化力,市民力を生かした食育等を通じ,広い視野をもち豊かな感性を働かせながら,多様な他者と協働してよりよい人生や持続可能な社会の創り手となる子どもを育成するとしている(5)。 本市の食育の推進に関わり,令和元年10月,中学校給食の充実及び食育の推進に関する実態調査が本市体育健康教育室により実施された(以下,体健室調査とする)。前回のこのような調査は平成10年度に行われており,約20年ぶりの調査となった。今年度,体健室調査の結果をもとに作成されたリーフレットを各学校で配布し,生徒への指導及び保護者啓発が行われている。 本研究では,体健室調査の結果から見えた本市の食育についての様々な実態を踏まえつつ,自身の食生活について,より広い視野に立って考え,行動できる生徒の育成を目指し,実践・検証していく。 中学校 食育 1 (4)文部科学省『食に関する指導の手引-第二次改訂版-』健学社2019.3 (5)京都市教育委員会『令和2年度 学校教育の重点』2020.4.13 p.1 栄養バランスや規則正しい食習慣について,ある程度理解し,重要性を感じてはいるが,行動に結び付いていない。 ・栄養バランスなどを考えることは,自分にとって必要だと感じていない(自分事としてとらえられていない)。 ・栄養バランスなどを考えるための知識が不足している。 食育を意識的に行っている教職員はいるが,学校全体で取り組む食育の推進は積極的に行われていない。 ・食育のための時間がとれない。 ・食育をどの時間で行うのかが曖昧である。 31

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