・食育の視点を取り入れて授業が展開できたことで, ・日頃の授業から,意識して食育の視点で話をするこ ・食べるものを選ぶためには,栄養素だけでなく社会 ・学習したことを実生活とつなげて考えることは,生 ・教科に限らず,昼食指導や部活動での食生活に関し ・教科指導に食育の視点を取り入れることを,今後も ・中学生が自分の食生活を自分の力で築いていくこと ・動物は食べることでしか生命を維持することができ 各教科等に食育の視点を取り入れることの有効性を感じていることが分かる。食べることは生徒にとって身近なものであるため,生徒の関心が高まったり,自分事としてとらえ学習に取り組んだりする姿が見られたと考える。 このような生徒の姿は,新学習指導要領の目指す,「主体的・対話的で深い学び」につながっているのではないだろうか。食育を切り口として,教科横断的な学習を行うことにより,社会や世界へ目を向け,自分にできることや,知識をどのような場面で活用するかを考えさせることができた。 また,教科指導に食育の視点を取り入れることや,食育に対する意識の変容について,以下の回答を得た。 指導者側は新たな視点をもつことができ,生徒は自分の生活と照らし合わせながら,世界とのつながりを思考・判断し表現する姿勢が育成できたことは,この授業での成果であると考えます。 とができたので良かったです。また,生徒が授業で学んだことを自分自身の生活に応用して考えるとてもいい練習になったのではないかと思います。 や世界に関心を向けることで,見えてくる問題点や課題点に気付かせる学習となり,私自身,子どもたちの考える姿勢に興味を引かれました。 徒にとってとても関心が高まるものだと実感しています。 ても,気にして観察するようになってきています。 続けていきます。生徒の反応もとても面白かったです。 は正直難しいですが,まずは知識として食の力,食を選ぶ力を身に付け,中学生自身が家庭へ伝えて,保護者の方と共に食生活を築いていく力を身に付け,将来の自分につなげていってほしいと思っています。 ないと理科で伝えるものの,実際の食事にまで広げて考えることは,理科の時間では難しい部分があった。ただ,学習の深まりが生徒に見られ,食育とのつながりを意識して行うことの大切さを感じた。 中学校 食育 19 今回の実践を今後も活用していくという回答を多く得ることができた。また,授業以外の場面でも食について意識するようになったなど,食育に対する意識の向上が見られた。しかし,それぞれの教科の特性を考えると,食育の視点を取り入れることができる範囲は限られてくる。各教科等に食育の視点を取り入れる際には,教科目標を達成する過程に食育の視点を位置付けるということに留意する必要があると考える。 第2節 食育を推進するために 学校における食育は,学校教育目標を達成するためになくてはならないものである。また,全教職員の共通理解のもと,組織的に進めていく必要がある。生徒の実態を踏まえつつ,目指す生徒像に迫るために,どのような食育を進めるべきかを各学校で考えなければならない。 1年次の研究では,食育を推進するにあたり,時間のなさを課題として挙げている教職員が多いことがアンケートより読み取れた。このような現状の中で,食育を効果的に推進するためには,各教科等に食育の視点を取り入れることが有効であると考える。 今回の実践では,限られた教科での実践となったが,実践できなかった教科等においても,食育の視点を取り入れることができる学習内容はたくさんある。また,実践を行った教科においても,異なる角度から食について考えさせることができる単元もあるだろう。そのためには,まず,各教科等のどの場面で,食育の視点を取り入れることができるかを教科担当の教員が考えることが必要である。また,それぞれが考えたことを共有し,指導者が各教科等のつながりを把握した上で授業を行うことで,教科横断的な学習となり,より効果的な食育の実践になると考える。 今回の実践においても,2年生の家庭科の授業で栄養についての学習を行った後,理科で消化・吸収の学習を行った。そうすることで生徒は,家庭科で得た知識と理科の学習内容をつなげて考えることができていた。1年生では,社会科で食育の視点を取り入れた授業を行った後,家庭科で食生活の学習内容に入る。社会科で得た食選力の視点に,家庭科で学習する栄養のことなどが加わり,食についての考えがより深まったり,広がったりすることが期待できる。 49
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