A校2年 A校2年 図4-4 A校 イメージマップ 内容比較 実践前は,栄養に関する事柄が多く,その他の内容については記入があまり見られなかった。しかし,実践後は栄養以外の項目についても記入が見られた。A校では家庭科の授業で献立作成を行う際に,自分のための献立ではなく,設定された人物のための献立を作成させた。その際に,相手のことを考えながら食べるものを選択するということを行ったため,相手意識についての記入が多く見られたと考えられる。 B校2年生がイメージマップに記入した食選力の視点の内容について,図4-5に示す。 実践前 実践後 B校2年 実践前 B校2年 実践後 図4-5 B校 イメージマップ 内容比較 中学校 食育 17 各教科において,それぞれの教科特性に合わせ た食選力を働かせたことにより,食選力の視点が 増加したと考える。 なお,本研究では,家庭科及び理科での実践を 2年生,社会科での実践を1年生で行った。2年 生が記入したイメージマップでは,相手意識や環境,消化・吸収についての記入が多く見られた。 A校2年生がイメージマップに記入した食選力の視点の内容について,図4-4に示す。 実践前は,価格や量(大きさ)について考えている生徒が多いことが分かる。実践後は,価格だけでなく,産地や環境についての記入が多く見られた。B校では家庭科の授業の際,指導者が食と環境との関わりについて生徒に考えさせるような導入を行ったり,発問をしたりする場面が多く見られた。また,地域の食材を話題に取り上げ,生徒が小学生のときに地域の食材について調べ学習をしたことを思い出している場面も見られた。そのため,産地や環境についての記入が多く見られたと考えられる。 A校・B校ともに,実践前と比較すると,実践後は消化・吸収についての記入が増加した。理科の授業で消化・吸収のことを考え,食べるものを選択することを行ったことがこの結果につながったと考えられる。 また,A校・B校ともに学習内容は同じであったが,実践後のイメージマップの内容の傾向には違いが見られた。その要因として考えられることは,指導者がどのようなことを意識し,授業を行っているかということではないだろうか。A校・B校それぞれの内容比較の後で,授業について少し述べたが,授業の内容や指導者の意識が生徒の47
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