最終稿【今川】
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牛肉 トウモロコシ A B C D 1回目の選択でAを選択している生徒の理由には「価格が安い」が多く見られた。BやCを選択している生徒の理由は様々であったが,「どちらかにお金をかけるならこっち」というように,価格を中心にしつつ,品質や美味しさなどを考えている様子がうかがえた。Dを選択している生徒の理由には「美味しい」「品質が良い」「安全」が多く,国産の物に対する生徒のイメージがよく表れていた。次ページの図3-9は牛肉とトウモロコシを選択させた場面である。 〈1回目〉 〈2回目〉 図3-8 社会科 ワークシート 生徒の記述 もちろん,アフリカの現状を知った上でも「量」「価格」といった視点を重視し,選択が変わらない生徒も多く見られた。フェアトレードの製品は価格が高いものも多く,「量」「価格」が優先されることは日常生活でも多々ある。実際に,2回目の選択をする際に,フェアトレードのものを選ぶか,「量」「価格」を優先するかで迷っている生徒の姿も見られた。1回目の選択をする場面では,このような迷いが見られなかったが,授業を通してアフリカの現状を知り,フェアトレード,つまり「公平・公正」という視点が加わったことで,選択に迷いが生じたと考える。 ○北アメリカ州の農業 量 備考 パッケージ前面にフェアトレードマークあり 100g 個包装,ピーナッツ入り パッケージ後面にフェアトレードマークあり,個包装 76g 個包装 産地 価格 510円 898円 アメリカ 日本 アメリカ 168円 400g※缶詰 日本 798円 選択肢 牛肉 アメリカ産 アメリカ産 日本産 日本産 量 370g 300g 2本 ※加工されていない状態 トウモロコシ アメリカ産 日本産 アメリカ産 日本産 42 表3-3 選択肢の情報について(チョコレート) 価格 A 198円 120g 個包装 B 258円 100g C 298円 D 238円 200g E 108円 1回目の選択では,「量が多い」「値段が安い」などを理由に選択していた生徒が多く,日常生活で生徒が重視している食選力の視点がうかがえた。本時の学習を踏まえ,2回目の選択を行った際に意見が変わった生徒の中には,「フェアトレードのマークがついている」「アフリカの人たちを応援したい」といった理由を記述している者もいた。図3-8に生徒が記述したワークシートを示す。 この授業では,北アメリカ州の農業の特色を理解させ,アメリカ合衆国は多くの農産物を輸出し中学校 食育 12 ていることをとらえさせるとともに,日本や世界の市場に与えている影響について考えさせることをねらいとしている。 北アメリカ州(主にアメリカ合衆国)の農業は大規模農業で効率化を図り,大量生産をしている。そのため,生産コストが抑えられ,価格が安い傾向にある。日本の農業も機械化や効率化が進められてはいるものの,北アメリカ州の規模とは比べものにならない。北アメリカ州の農業の特色を知る際に,日本の農業と比較させながら学習を進めた。 ここでは牛肉とトウモロコシを選択させた。アフリカ州の学習と同様に,日常生活で起こり得る場面設定の中で選択させることを行った。また,授業の導入と終末で2回選択させるという構成についても,アフリカ州の学習と同様である。 牛肉とトウモロコシそれぞれ,国産とアメリカ産のものがあり,AからDの組み合わせのうち,どれを選択するか,ネームプレートを使用し,意思表示させた。商品についての情報は価格,量,産地である。表3-4に選択肢の情報を示す。 表3-4 選択肢の情報について(牛肉・トウモロコシ)

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