①全体で課題(本時の目標)を共有する。 ②エキスパート活動(担当した資料のエキスパート ③ジグソー活動(情報を共有しよう!) 私たちの食生活を取り巻く課題は多岐にわたる。 エキスパート活動で使用する資料は以下の3種類に設定した。 ジグソー活動では,自分が担当した資料から読み取れたことを,他のメンバーに一生懸命伝えている様子が見られた。聞いているメンバーもメモまた,下線②より,様々な視点で考えることにより,いつもの食事がより豊かになることを感じていることが読み取れる。その一方で,様々な視点で考えることの難しさや知識の必要性を実感したという感想も見られた。実際に,生活の中で食選力を働かせたことにより,このようなことに気付くことができたと考える。 ○持続可能な食生活のために,私たちにできることを考えよう ここでは,「食選力の視点を明確にさせる」ことを取り上げた。私たちの食生活を取り巻く課題や食生活に関する様々な現状を知り,それらを踏まえ,どのようなものを選択すればよいかを考えさせた。 この授業ではジグソー学習を取り入れた(17)。ジグソー学習では,課題に対して多面的にとらえることができると考えたためである。以下にジグソー学習の流れを示す。 資料C 図3-4 ジグソー活動の様子 ・早く食べるのなら,期限の近い,値引きシールの貼ってあるもの 〈理由〉期限が過ぎると食品ロスになってしまうから,早く食べるのであればシールのついているものを選ぶと食品ロスを減らすことができる。 ・国産のものを中心に購入する(特に京都産を多めに)〈理由〉食料自給率を上げ,フードマイレージを減らし,地球環境の改善につなげたいから。「食」から地球温暖化を進めないようにしたいから。 ・国産のもので自分が使いきれる量のもの 〈理由〉外国産のものは安くて手軽に買えてしまうけど,料理などのメニューを工夫して,出来る限り国産のものが使われているものにしたいと思います。またどれだけ安くても,その量が自分に合っているかをしっかり判断していきたいと思いました。 中学校 食育 9 資料B になろう!) 3~4人でグループを構成し,A~Cの資料のうち一つの資料を担当させる。生徒は担当した資料から読み取れることをまとめる。 A~Cそれぞれの資料を担当した生徒がそろうようにグループを再構成する。生徒はエキスパート活動で学習してきたことをグループ内で伝達する。そうすることで最終的に生徒全員がA~Cの資料に関する情報を得ることになる。 ④ジグソー活動で得た情報をもとに,課題に対する自分なりの考えとその理由をまとめる。 A:日本の食品の安全性 B:日本の食生活と環境 C:日本の食品ロスの現状 ↓ ↓ ↓ をとり,とても前向きに授業に取り組んでいた。ジグソー活動の様子を図3-4に示す。 そして,まとめとして,持続可能な食生活のために,どのようなものを選択・購入するか,自分の考えとその理由を記述させた。 生徒の記述の一部を以下に示す。 それらを解決するために,自分の生活では何ができるか,具体的にどのようなものを選択するかを考えさせることで,私たちにもできることがあるということや,一人一人の選択が持続可能な食生活には必要であるということに気付いていた。 授業の初めは,食べるものを選択する視点として,「価格」「好み」など,自分のことを中心にした視点を挙げている生徒が多く見られた。この授業を通して,その視点も必要ではあるが,環境などのことに配慮した選択も必要であるということに気付き,今後の生活に生かしていきたいという感想が多く見られた。 39 資料C 資料A
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