最終稿【大嶋】
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56 図1-4 1年次のアンケート結果(5年生) 成長を振り返ることができるようにした。また,自己評価だけではなく,他者評価を入れることで自己理解が更に深まると考え,お互いの頑張ったことや良かったことなどを友だち同士で発表し合う「肯定的な言葉がけの取組」を取り入れた。これらの活動を通して,学校行事での自分の成長を書き溜めていった。 最後に,キャリア・パスポート『おわり』で1年間の自分の成長について考え,それを書き残した。その際,成長ノートで1年間の活動などを振り返ることで,具体的に自分の成長を実感することができた。 (2)1年次の成果と課題 成長ノートとキャリア・パスポートを用いて,意図的に振り返りをつなぐことで,自分の1年間の学びを確かめた。そのことでキャリア・パスポート『おわり』では,根拠をもって自分の成長を実感する児童の姿が多く見られた。また,成長を実感することで,次の活動の意欲にもつながったことが成果といえる。 友だちとの交流では,友だちからの肯定的な言葉がけにより,自分の成長を更に実感したり,自分では気付いていなかった成長に気付いたりすることができた。また,友だちから自分の成長について認めてもらうことで,「自己有用感」を感じることもできた。 このような成果が見られた一方で,課題も見られた。 図1-4で示すように,高学年のアンケート結果において「自分には得意なことがある」「自分にはよいところがある」の項目で否定的な回答が増えたことがわかる。高学年の実践で自己理解の深まりが見えた一方,自分の成長について厳しく評価する児童の姿も見られた。その原因として,自分小学校 キャリア教育 4 の立てた目標が大きすぎて目標が達成できず,自分は成長していないと考えたことや自分の成長と他者の成長を比較して,自分はあまり成長していないと感じてしまったことが考えられる。 そこで,1年次の成果と課題を踏まえ,2年次では次の視点から研究を進めることにした。 ・教科学習での実践 ・PDCAサイクルを意識した授業実践 ・スモール・ステップの目標設定 ・振り返りの視点の充実 ・肯定的な言葉がけの取組の充実 (1) 文部科学省『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 総則編』 東洋館出版 2018.2 P.6 (2) 内閣府『我が国と諸外国の若者の意識に関する調査』2018 https://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/ishiki/h30/pdf/s2-1.pdf 2021.3.1 (3) 日本セルフエスティーム普及協会『自己肯定感とは』 https://www.self-esteem.or.jp/selfesteem/ 2021.3.1 (4) 教育再生実行会議『自己肯定感を高め,自らの手で未来を切り拓く子供を育む教育の実現に向けた,学校,家庭,地域の教育力の向上(第十次提言)』2017.6 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouikusaisei/pdf/dai10_1.pdf P.15 2021.3.1 (5) 前掲(4) 参考資料2 P.55 2021.3.1 (6) 梶田叡一『内面性の人間教育を』金子書房1989 P.93 (7) ベネッセ教育総合研究所『自己効力感が高い小・中学生はどんな子どもかー子どもの特徴と保護者との関係に着目してー』 2015 https://berd.benesse.jp/up_images/research/Survey_on_learning_report_5.pdfP.1 2021.3.1 (8) 前掲(7) P.10 (9) 国立教育政策研究所『生徒指導リーフ 「自尊感情」?それとも,「自己有用感」?』2015.3 https://www.nier. go.jp/shido/leaf/leaf18.pdf 2021.3.1 (10) 中央教育審議会答申『今後におけるキャリア教育・職業教育の在り方について』2011.1 https://www.mext.go.jp/ component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2011/02/01/1301878_1_1.pdf P.16 2021.3.1 (11) 前掲(10) P.25 (12) 文部科学省『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 特別活動編』 東洋館出版 2017.3 P.82 (13) 文部科学省『「キャリア・パスポート」例示資料等について』2019.3 https://www.mext.go.jp/component/a_menu/ education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/08/21/1419890_002.pdf 2021.3.1

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