(2)児童アンケートから えて,教科のねらだけではなく,キャリア教育で付けたい力に関する記述も多く見られた。 図4-3 5年B児「生き方探究パスポート『あゆみ』」 実践を通して,二つの視点で振り返りを行ったことで,自分自身の成長に数多く気付くことができたと考えられる。 図4-4 6年C児「生き方探究パスポート『あゆみ』」 実践後に,研究協力校の児童にアンケートを行った。項目については,自己効力感,自己有用感,自己肯定感に関するものである。5年生では,1学級23人を対象に,6年生では3学級74人を対象に実施した。児童アンケートの結果から読み取れる成果について述べていく。 〇自己効力感の高まり 「努力すれば自分のめあてを達成することができると思う」の項目に対する回答結果は表4-5のとおりであった。 表4-1 「努力すれば,自分のめあてを達成することが 体育科や国語科書写の実践を通して,PDCAサイクルやスモール・ステップの目標設定の実践を行ったことで,成功体験を積み重ねることができ,努力すれば,自分のめあてを達成することができると考えられるようになってきた。 両校の研究協力員へのヒアリングからも,実践前と実践後の児童に行動の変化が見られたことがわかった。例えば,体育科では,実践前では,「できない」「難しい」「嫌い」など,取り組む前からやる気をなくして行動に移すのに時間がかかっていたことも多かったが,実践を重ねることで「頑張ればできるかも」「やってみよう」と考え,前向きな行動に変わっている姿が見られたという話を聞くことができた。また,このような姿は,体育科だけではなく,他の教科等でも見られるようになってきていることがわかった。 このように,スモール・ステップの目標を設定し,自己選択を行い,PDCAサイクルを意識して振り返りを行うことで,「自分はうまくいく」「自分はやればできる」と考えて行動できるようになることがわかった。 〇自己有用感の高まり 「先生の声かけや友だちからの声かけは成長を実感するために有効であった」の項目に対する回答結果は表4-2のとおりであった。 表4-2 「先生の声かけや友だちからの声かけは成長を できると思う」のアンケート結果 実感するために有効であった」のアンケート結果 小学校 キャリア教育 17 69
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