図3-1 体育科「マット運動」の技カード このように,技カードを活用して一つ一つの技のポイントを意識して行うことで技の習得の支援になるだけではなく,1時間ごとのめあてを考えることができた。そして,項目ごとの成長を振り返ることで,一つ一つの小さな成長を見取るための支援にもなった。 〇自己選択の場の設定 自分に合った目標を達成するために,それぞれのめあてに沿った練習方法を自己選択し,練習を行った。その際,図3-1の技カードの「技に合った練習の仕方・練習の場」を活用し,自分に合った練習の場や練習方法を選択して取り組んだ。その中で,めあての達成に向けての練習方法が見つけられない児童については,図3-2のような自己選択ボードを活用した。 技の名前 図3-2 体育科の自己選択ボード を生かしながら,更なる成長のために実践を行った。 加えて,活動中に,発揮されるキャリア教育で付けたい力についても成長を実感させ,高めていきたい。活動の中で「友だちと互いのよさを認め合うことで自信につなげられる」「友だちとよりよくするためのポイントやうまくいかない原因などについて話し合う」「どんな場や方法で練習すればよいかを考えて練習する」ことなど,キャリア教育で付けたい力についても発揮される場面が想定される。これらの内容についても,児童に意識させながら,活動中の多くの成長を見つけられるように実践を行った。 体育科「マット運動」の活動では,繰り返しPDCAサイクルを展開できるため,児童がこのプロセスを習得しやすいと考えた。表の3-2は,体育科「マット運動」の全体の流れである。 表3-2 5年 体育科「マット運動」全体の流れ 以下,どのように実践を進めたのか,児童の様子等について述べる。 〇スモール・ステップの目標設定 初めの時間に(1/7時間目),ねらい①で連続技や組み合わせ技,ねらい②で挑戦する技を選択し,活動を通して目指したい姿を考えた。その後の活動では,目指す姿に迫るために,1時間ごとに自分に合っためあてを考え,活動を進めた。 各時間,自分に合っためあてを考える際には,自分の選んだ技のカードを活用した。この技カードは,技を習得するためのポイントや練習の仕方,練習の場の設定などを記載している。自分が選んだ技を習得するポイントに着目して,今の自分に合った課題を考え,めあてを決めた。 図3-3に,マット運動で使用した技カードを示す。 小学校 キャリア教育 9 技を習得するためのポイント スモールステップのめあて 意思表示 技に合った 練習の仕方 練習の場 61
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