最終稿【大嶋】
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-PDCAサイクルを意識した各教科等における活動を通して- 大嶋 慧(京都市総合教育センター研究課 研究員) K0209 報告 605 Key Words: キャリア教育,自己肯定感,自己効力感,自己有用感,肯定的な言葉がけ 急速に変化する現在の社会状況を踏まえ,子どもたち一人一人に自分のよさや可能性を認識できる力を育むことが求められており,そのためには,自己肯定感を高めることが重要になる。本研究では,子どもの自己肯定感の高まりを目指し,本年度より導入されたキャリア・パスポートの取組を生かしつつ,キャリア教育の視点から各教科等の授業改善を試みた。 実践では,毎時間の授業における自分の成長への気付きを促すために,PDCAサイクルに沿った学習過程を取り入れた。スモール・ステップでの目標設定を行い,その達成に向けて学習に取り組む。目標達成の可否に関わらず,その過程での成長を振り返り,小さな成功体験を積み重ねられるようにした。 また,教科のねらいについてだけではなく,キャリア教育で身に付けたい力についての視点からも学習を振り返ることで,より広い視点から自分の成長に気付くことができるようにした。 さらには,友だちや指導者からの肯定的な言葉がけの交流を活動中や振り返りの場面に取り入れ,自分の成長を多角的にとらえられるようにした。 これらの取組を通して,授業で活動に取り組む様子や振り返りの記述内容からは,自らの成長を実感し,自分に自信をもつ児童の姿を数多く見て取ることができた。また,実践後のアンケート結果からは,自分のよさに気付くことができた児童が増えたことも明らかになった。 51 自己肯定感を高めるキャリア教育

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