最終稿【藤本】
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・ 成果1:教科観の変容 ア:視野を拡げるための教科(内容がどうという感じで イ:ただ「覚える・暗記する」だけでは足りなくて,そ こから自分の意見を加え,客観的にもみて,比較し て,どんどん理解を深めることに意味がある ウ:知識と考え方が身につく エ:覚えるよりも考える方が自然に頭に入る教科 オ:単語を覚えるのはあるけれど,いろいろな視点を 見つけて,そこから知識をつなげていくことが社会 だと思いました カ:社会は暗記じゃなくて物事や言葉などを結びつけて, 1つのものを出していったり,ちがう視点からみて考 えるものだと思います いろんな人の考えが,見えるーぺ?でぎゅっと短くまとめられるので理解しやすかった。 チ:「知る」教科。世界の情勢を知れるだけでなく,新 ツ:社会科とは客観的な視点を養う教科だ テ:社会科とは知識的に将来つかわなくても,その考え これ🔍で,今まで習ったことがつながったり, 整理しやすくなって,暗記しやすくなった。 生徒が発揮している方法的な知識を可視化した見えるーぺが個別の内容的な知識をつなげる要と116 会に出てから役に立つと思いますか。 現すると… はなく,「考え方」を育てる感じ?) キ:「頭に入れる」のではなく「身に付ける」実技教科 ク:暗記ではなく,色々な「力」を身に付けるもの ケ:暗記だけでは意味がない教科 コ:社会は1つの物事を多方面から見る教科 サ:社会科は実験ぽい教科。予想→考察→結果 シ:理科みたいな教科 ス:知識と知識から法則的なものをみつける教科 セ:答えがたくさんある?答えがない?教科 ソ:知識と資料と自分の考えをつなげる教科 タ:「多面性」見る角度によって形や色,印象などが変 わる しい解釈(視点)でものごとを知れるから 方を生かすことができる教科だ! ト:つなげて考えたら覚えられる教科 ナ:知識+思考=NEW ニ:つながると楽しい教科 ヌ:暗記教科 図4-1 事後アンケート① ① 社会科とはこういう教科だ!自分の言葉で表 示している回答は一部であるが,次の四つに大別できた。 質問②の回答の一部が,次ページの図4-2である。多面的に事象をとらえることや,事象同士を関連付けたり比べたりして考えることの価値を感じ,様々な生活の場面でも使えるという文脈で説明する生徒の回答がいくつも見られた。 方法的な知識を習得・発揮する授業は社会に出ても役立ちそうだという印象をもつ生徒が見られたことは,実践を通しての成果である。 図4-2に示したほかにも,回答の中にはたびたび虫眼鏡という言葉が登場した。思考過程を意識化するために使用した,見えるーぺのことである。多面的・多角的にとらえる必要性や重要性を生徒に自覚させるものとして有効な手だてであったと感じることができた。また,見えるーぺを次のように価値付ける生徒が複数見られた。 ・「キ」のような方法的な知識の習得や発揮に基づくも のと思われる意見 ・「ヌ」のような内容的な知識の習得や発揮に基づくも のと思われる意見 ・「ソ」のような,内容的な知識/方法的な知識の両方 に基づくものと思われる意見 ・どちらとも判断が難しい意見 回答の多くは,目指そうとしていた方法的な知識の習得や発揮に基づく意見であった。A校・B校ともに6月の授業開きで,社会科の教科観を尋ねる生徒アンケートが実施されている。質問の文言がまったく同じではなく,明確な比較対象にはならないが,回答中に「暗記」「知識」「記憶」という語句を用いた生徒が少なくなかった。このことを踏まえると,本実践が生徒たちの意識の変容に影響を与えたものとしてとらえたい。 成果2:学習と実生活の接点を見いだす生徒 中学校 教科指導 18 第1節 研究の成果と課題 (1)生徒の意識と学習の変容から 実践後アンケートの中から2点の質問に対する生徒の記述をもとに成果と課題をまとめる。 ア①1社会科とはこんな教科だ!自分の言葉で表現すると… イ②2授業で身に付けているどんなことが,どんな場面で社

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